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「女性が食べていたものに何か?」
「いえ・・・。鑑識さんの結果を待ちましょう」
鳥灯さんはそう言い、憶測での話を切り上げた
結局、事件はあっさりと終わりを告げて、犯人は捕まったのだが、今回の事件で鳥灯さんの優秀さが、見え隠れしていた
医学生とは言っても、最近までは高校生だった。年齢的にも大学に入ったばかりだろう。それ以上の知識を鳥灯さんは持っていた。医学、心理学、生物学、色々な学問において、優秀なものだった
「ねぇ、安室さん」
「どうしたの?コナンくん」
声を掛けて来たコナンくんに、視線を合わせるようにしゃがみ、返事をする
「犯人が言ってた事が気になるんだ」
「ああ、それは僕も同じだよ」
今回の犯人は、あの野郎、嘘を吐きやがって、なんて言葉を残していた。あまり触れられなかったけれど、あの犯人のバックには、誰かがいる
「安室さんの知ってる感じはした?」
「いや、全く無かったよ。そう言えば、前にもあったんだよね・・・」
「前にも?」
「そう。前に鳥灯さんの、」
「おい」
コナンくんと話し合っていると、見知らぬ声が店内に響いた。声のした方を見れば、見知らぬ男性が不機嫌な表情をして立っていた
「あ・・・」
小さく声を漏らしたのは、鳥灯さんだった
「いつになったら帰って来るんだ」
「あ、ご、ごめんなさい。今から、帰るつもりだったんです」
謝った彼は男性の傍に行く。男性は歩いて行き、鳥灯さんも僕達に頭を下げてから、その男性について行った
「何だったんだろ・・・」
「・・・さぁ。僕が後を追ってみるよ。それでは、毛利先生、蘭さん。僕はここで失礼します」
コナンくん達と別れ、彼の事を追い掛けた
少し歩いた先に、不機嫌だった男性と共に彼はいた。鳥灯さんと男性は、話し合う事もなく、マンションに帰った。ただの取り越し苦労で済めば良いのだが、何故だか不安が拭えない
彼の部屋の近くまで尾行し、様子を窺った
「さっさと来い」
「う、うん・・・」
「不満なのか?」
「そんなの、無いよ」
鳥灯さんの崩れた口調。男性は友人なのだろうか。気になりはしたが、部屋の中に入られてしまっては、今のところ出来る事は無い
仕方なく自宅に帰り、鳥灯さんの事を考えたが、それ以上に考えなくてはいけない問題があった。度々遭遇する事件の犯人が溢す、あの野郎、あのぼんくら、それは一体誰なのか
表面上では、完璧な殺害計画。しかし、深く追求すれば、必ず隙間のある計画。犯人を名指しする証拠の数々。同じ人物の計画書には違いない
その人物の姿が、全く想像する事が出来なかった
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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年4月7日 0時