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｢お待たせしました｣
｢待ってないですよ｣
戻って来た安室さんに言い、携帯の画面を消す
｢では、帰りましょう｣
｢はい｣
外に出る為、自分も立ち上がって、ランドセルを背負った
｢そう言えば、貴方は何年生ですか？｣
｢こう見えても、一年生です｣
｢そうでしたか。身長が高いので、もう少し年長さんかと｣
｢まぁ身体に何かしらあっても、驚きませんけどね｣
こんな見た目なので、体に何かあっても、おかしくはない。日差しが辛く感じない事や眼鏡を掛けなくても、視界がハッキリしている事は、俺にとって、良い事である
見た目は、そのままだが
疎まれると思っていたが、俺に声を掛けて来たあの子達には、驚きが隠せなかった。あの子達が誰かを嫌うような、そんな子どもでは無いけれど、実際にそうだったとは思わなかった
俺が本当に子どもの頃に、出会っていたら、何かが変わったかもしれない
｢あの？｣
｢あ、何ですか？｣
考えにふけっていると、安室さんに顔を覗き込まれる。それに驚きつつ、返事をする
｢こちらですよ｣
｢分かりました｣
安室さんに頷いて返し、車の置いてあるであろう駐車場に向かっていた
｢どうぞ｣
車まで来ると、安室さんは助手席のドアを開けてくれる
｢ありがとうございます｣
お礼を言って、助手席に乗り込んだ。安室さんも運転席に回って、乗り込んだ
｢動かしますね｣
安室さんがそう言い、車はゆっくりと動き始めた
｢学校はどうでしたか？｣
｢一緒に帰ってくれた子達のお陰で、楽しかったですよ。今後は分かりませんけどね｣
あの子達が俺を受け入れてくれたところで、他の子達が同じとは言い切れない。俺の事を否定する人の方が多いと言えるだろう
実の親ですら、そうだったのだから
｢･･･アルビノ、ですよね。その髪や瞳の色は｣
｢はい。何故だか、体には何の負担も無いので、助かってます｣
安室さんの質問に答える
｢なるほど｣
｢安室さんはどう思いますか？この髪や瞳について｣
｢先程も言ったように、綺麗だと思いますよ｣
｢そうですか。それなら良かった｣
｢嘘では無いですよ｣
それぐらいは分かっている。この人が、人を見た目で貶すような事はしないだろう。こんな子どもに対してなら、尚更、言わないだろう
でも、その言葉を俺が信じる事は無い
｢家はどこですか？｣
｢メゾン モクバって、ご存知ですか？｣
｢知ってますよ｣
｢そこに住んでます｣
そう伝えれば、安室さんは、分かりました、とその場所に向かってくれた。車は早くすぐに見覚えのある場所が、景色として窓の外に映った
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作者名：空白可能
| 作成日時：2020年11月11日 21時
