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｢必要、無いですよね。彼が必要なら、送ってもらえ、なんて言いませんからね｣
バーボンさんが必要であれば、一緒に来い、と命令するはずだ。それに電話で、一人だというお伺いを立てなくても良いだろう
｢それで、何の用でしたか？｣
｢ノックリストを奪う。お前も情報収集に手を貸せ｣
｢分かりました。奪取には誰が？｣
｢キュラソーを向かわせる｣
ジンさんの言葉で、あの時がやって来てしまう事が分かった。つまり、助けられる命は助ける。例え、全員を助ける事が出来なくても、拾えるものは拾う
それが出来れば、今回の目標は達成する事が出来るが、俺が一番にやりたい事は、人助けではない
｢では早速、情報収集に、｣
向かおうとすれば、腕を引かれて、ジンさんの膝の上に乗ってしまう。そして、ジンさんと少しの間、見詰め合って、何かを言う訳でもなく、無言でキスを交わす
｢誰かとお楽しみだったのか？｣
｢まぁ少しだけ｣
笑って訊いて来るジンさんに答えれば、首元に貼っていた大きめの絆創膏を剥がされて、また首元を噛まれた。傷口に舌が這い、ゾクゾクと背筋が震える
結局、解放されたのは、行為が終わって、気絶から目が覚めた後の事だった
｢また学校･･･｣
最近は、まともに学校すら行けていない。その心配も、そろそろしなくても良いとは思うけれど小言を言われそうで、割りと面倒臭い
そんな事を考えながら、組織の研究所の一角で、密かに作業をしていた。ちゃんと許可も貰っているので、どうという事は無い
｢よし、後は実験をしてーっと･･･｣
ブツブツと一人言を呟きながら、作業を進めて、数週間の後に、それは出来上がった
｢今日でしたっけ、キュラソーさんがノックリストを奪うって言うのは｣
｢ああ｣
情報収集を適当に済ませていれば、ノックリストはいつの間にか、見付かってしまっていたらしく、キュラソーさんはノックリストを奪いに行っていた
俺達は連絡待ちで、やっと連絡が届いた
しかしそれは、最後の文章が曖昧なもので、バーボンさんとキールさんがノックなのかは分からなかった。そして、キュラソーさんは記憶喪失になり、事は大きくなっていった
｢はぁ、結局はこうなるんですよね｣
｢モヒート、お前はどう見る。この二人がノックかどうか｣
｢さぁ。俺には何にも分からないです。子どもですから｣
目の前にいるバーボンさんとキールさんに視線を向けながら、ジンさんの質問に答えた
｢ふん。普通のガキが、証拠も残さず人殺しをするとでも？｣
ジンさんに小言を言われて、溜め息を吐いた
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作者名：空白可能
| 作成日時：2020年11月11日 21時
