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｢迷惑な話だよ。あ、俺はもう帰るから｣
｢そうなの？｣
｢一応、病院にってさ｣
病院に行く事を勧められたので、早退して、病院に行く。病院での検査では、問題は無くて、頬に貼る湿布を貰ったぐらいだった
｢おや、早いですね。おかえりなさい｣
｢安室さんもですよ。ただいまです｣
病院から家に帰れば、安室さんと丁度、階段を上がる手前で、鉢合わせした
｢それ、どうしたんです？首元のものと、その頬の･･･｣
｢学校の方で色々ありまして。大した事は無いですが、湿布だけ貰いました｣
｢何があったのか、詳しく聞いても？｣
｢いえ、もう解決したので、大丈夫です｣
彼の質問に答える事を断り、自室の鍵をランドセルに入っている鍵を探した
｢えーっと、鍵はっと･･･｣
｢･･･霧花くん｣
｢何でしょう？｣
鍵を探しながら、彼に訊くと返事が返って来ない。それに違和感を覚えるが、関係なしにランドセルから取り出した鍵で、玄関のドアを開けた
部屋に入ると、いきなり腕を引かれて、壁に押し付けられた
｢安室さん？｣
俺を壁に押し付けた安室さんを見上げた
｢何ですか？｣
再び問い掛けても、返事は無い
｢安室さ、｣
｢このピアスは誰が？｣
遮られて訊かれたのは、右耳についたピアスについてだった。どうやら、鍵を探すに当たって、耳に髪を掛けたせいで、右耳のピアスに彼も気が付いたらしい
｢沖矢さんに開けてもらいました｣
隠すような事でも無いので、素直に答えた
｢･･･沖矢さんに？｣
｢はい。何か問題でも？｣
訊き返すと彼は何も答えず、ゆっくりとこちらに近付いて来る。そして、指先でピアスのついている耳に触れる
｢ちょ、何を、｣
指先で触れられていたはずの耳に、ぬるっとしたものが這った
｢ん、安室、さん･･･？｣
｢･･･すみません。抵抗して、良いですからね｣
｢は･･･、んんっ｣
彼が俺に口付ける。その理由は分からない。だけど、抵抗しても良いと言った割りには、俺の手首を掴む彼の手は、今の俺の力では抵抗する事が出来ないような、強い力だった
こんな子どもに、彼は一体何をしているのだろう、そんな事を考えながらも、彼の事を俺は受け入れていた
既に汚れた体なのだから、今更、拒む事も無いのだから
｢うぅん･･･？｣
何かの音が微かに聞こえて、目を覚ました。どうやら、一連の行為で気を失ってしまったようで、布団の上にいた
｢あ、お目覚めですか？｣
体を起こせば、声を掛けられて、顔を上げると安室さんが、奥の部屋から顔を出していた
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作者名：空白可能
| 作成日時：2020年11月11日 21時
