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｢さて、君は本当にバカだね｣
部屋の奥まで入ると、男の声が後ろでする
｢な、なんで、そんな事言うの･･･？｣
振り返って、男に問い掛ける
｢知らない大人には、ついて行っちゃダメだって、習わなかったのかな？｣
そう言いながら、男は俺に近付く。そして、腕を掴まれ、部屋にあったベッドに、放り投げられる
｢なに、するの･･･っ｣
｢君の体に分からせてあげるんだよ。知らない大人について行ったら、どうなるかをね｣
｢ひ、｣
ベッドの上に乗って来る男に、怯えたような声を漏らせば、男は更に迫って来る。そのまま、俺の小さな抵抗をものともせずに、口付けた。それは子どもにするようなもので無くて、いやらしい水音が室内に響く
｢は、っん｣
｢可愛いね。君は｣
｢やめ、｣
ねっとりとへばりつく男は、俺に対する行為を深めていく。これ以上、触れられると、俺だという痕跡が残ってしまいそうなので、早急にどうにかする事にした
｢･･･ね、おじさん。大好きな子どもに、殺されるのなら、本望だよね｣
｢なに･･･？｣
｢おじさん、死んで？｣
そう言って、持っていた針を男に刺した
｢ぐ、っなにを、｣
呻き声を出し、首を押さえて、男は俺から離れた
｢大丈夫。すぐに良くなるよ｣
膝をつき、苦しそうに呼吸をしている男に、笑い掛けた
｢き、さま、何者だ･･･っ｣
｢さぁ？悪魔かもしれないし、天使かもしれない。それはおじさんが決める事だよ｣
しゃがみ込んで笑い掛けると、男は俺の事を恨めしそうに睨んで来る
｢この、あくま、が･･･!!｣
｢うわ、｣
男は予想よりも元気だったようで、俺に掴み掛かって、首を絞められる
｢貴様も、道連れだッ｣
俺の首を絞めて来る男が言った
｢それは無理ですよ。だって、貴方がの力は、とても弱い｣
｢なっ｣
｢薬が効いてるんですよ。貴方を死に至らしめる、毒が｣
針に塗ってある毒は、便利なものであり、人体に証拠を残さない。この男が死んだ原因は、全く分からないという訳だ
｢それじゃあ、俺はもう帰ります｣
｢う･･･ッ｣
男の腹を蹴り飛ばして、突き放した
｢じゃあね、おじさん｣
男の耳元で囁けば、男は倒れ込んでいく。そして、遂には動かなくなった。口元に手を当てて、呼吸の有無を確認する
男の呼吸は止まっていて、生きている様子は無かった。さっさと証拠を隠滅して、部屋から出る事にした
｢おかえりなさい｣
ホテルを出ると、外で待機していたバーボンさんが、声を掛けてくれた
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作者名：空白可能
| 作成日時：2020年11月11日 21時
