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｢･･･流石にきついな｣
鏡に写っている自分を見たが、実年齢で考えてみると、なかなかに厳しい
｢何か言いました？｣
｢いいえ、何にも。バーボンさんも、似合ってますよ。素敵です｣
｢ありがとうございます。では、行きましょう｣
｢はーい｣
彼と一緒に、パーティに潜入する
｢あそこにいますね｣
会場の隅で、バーボンさんが言った
｢本当だ。それじゃ、仕掛けて来ます｣
｢･･･お気を付けて｣
｢分かってます｣
返事をして、彼のもとから離れた。そして、目的の人物の近くに歩いた。周りには、ボディガードが二人ついており、容易に接触する事は出来なさそうだ
とは言っても、俺の姿は、警戒対象には入りにくいだろう
｢お姉さん、飲み物、貰っても良い？｣
｢ええ、どうぞ｣
近くにいた女の人に、声を掛けて、子どもの俺でも飲めるものを貰った。俺を見ても、顔色一つ変えずに、笑顔で飲み物をくれた女の人に感謝しないと
そんな事を考えながら、飲み物の入ったグラスを手に、目的の男に近付いた
｢ぅわっ｣
やはり俺程度の子どもには、注意を払っていなかったらしく、簡単にぶつかる事が出来た
｢おっと、すまない｣
｢ごご、ごめんなさい!!｣
｢いや、大丈夫だ｣
｢で、でも、お洋服が･･･｣
手にしていた飲み物をぶつかった時に溢したので、目的の男の服に飲み物が掛かっていた
｢ごめんなさい･･･、こんなパーティ、初めてで、はしゃいじゃって･･･｣
｢そうかそうか。ご両親と一緒なのかな？｣
｢ううん。今日は忙しくて、お手伝いさんと一緒だけど、はぐれちゃった｣
そう言うと、男は何かを考えるような仕草をした。こうやって普通に会話をしている分には、資料で読んだような人では、無いように思える
普通に優しいし
｢よし。じゃあ、少しついて来てくれるかな｣
｢どうして？｣
｢君のお洋服も、私と同じで、濡れてしまっただろう？お風呂と服を貸してあげるから、ね？｣
｢分かった!!ありがとう!!｣
お礼を言って、男の後をついていった。会場のホテルの一室を借りていると言うので、そこまで雑談をしながら向かう
｢おじさんって、凄い人なんだ!!｣
｢程々にね｣
｢へぇ･･･｣
男はおもちゃの製作に関わっていて、随分と金持ちだそうだ。引き取ってくれないかな、なんて思いながら、長い廊下を歩いた
｢ここが私の部屋だ。少し待ってて｣
｢はーい｣
男が部屋の鍵を出して、扉を開ける
｢どうぞ｣
｢ありがとう、おじさん｣
入るように促されたので、部屋の中に入った
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作者名：空白可能
| 作成日時：2020年11月11日 21時
