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｢俺は貴方と敵対するつもりは、ありません。むしろ、協力してほしいです｣
｢ほぉー？｣
｢協力してくれますよね？｣
赤井さん、と声に出さずに言えば、男の人は目を開いた
｢･･･君は、一体何者だ｣
｢何者だと思います？｣
｢分からないから訊いている｣
｢そうですよね。まぁ敵では無いですよ｣
そもそも、この人を敵に回したら、海外からの追撃が来る事は間違いない。ただでさえ、首に爆弾をつけられて大変だというのに、これ以上、何かが増えられても困る
｢出来るだけ、俺に誰も関わらないようにしてください。あの子とか特に。危険さが分かっていないらしいので、注意しておいてください｣
｢分かった｣
案外、簡単に赤井さんは、 頷いて返した
｢聞き分けの良い方で良かった｣
｢得体の知れない君を敵に回したく無いだけだ。安室くんにも手を出さないだろうな｣
｢それは分からないです。俺の躾役があの人なので、怪しければ、何かをするように、言われるかもしれません｣
あの組織は、安室さんの事を疑っているので、観覧車を転がすまでは、油断する事は、出来ないだろう
｢その時は何か考えますよ。彼が死なないように｣
｢俺に協力出来る事があれば、何でも言ってくれ｣
｢分かりました。それでは、そろそろ帰りますね｣
随分と話し込んでしまったので、日が暮れて、周りが暗くなって来ていた
｢途中まで送るか？｣
｢いえ、家の場所は知られたくないので、結構です｣
赤井さんの提案を断り、一人で夜道を歩く。そして、自分の部屋に向かえば、部屋の前に誰かがいた。それは暗くても良く分かる、安室さんだった
｢こんばんは、安室さん｣
｢あ、こんばんは｣
｢どうしたんですか？俺の部屋の前で｣
｢晩御飯を、と思ったんですが、大丈夫でしたか？｣
そう言われたのだが、今日の晩御飯は一人鍋であり、食材は消費期限が今日までのものが多くて、明日に回す事は難しい
｢すみません、今日はやめておきます。今日はお鍋にしようと思っていたので｣
｢そうですか･･･。では、またの機会に｣
｢はい。お待ちしております｣
そう言うと、安室さんは軽く頭を下げて、部屋に戻っていった。自分も部屋に帰り、晩御飯の準備をする。一人で突付く鍋は寂しい
今度からは、安室さんも誘って、二人鍋にでもしようかと考えた
｢こんにちは｣
次の日、学校を終えて、帰ろうとすれば、声を掛けられた
｢こんにちは。･･･えーっと、どちら様でしたっけ？｣
｢沖矢です。沖矢 昴｣
｢あー、そうでした｣
沖矢さんの名前を聞き、適当な返事をする
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作者名：空白可能
| 作成日時：2020年11月11日 21時
