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「えーっと・・・」


要るものをカゴの中に入れながら、店内を見回る。お肉のパックを持ち、値段と相談する風を装い、辺りに視線を向ける

視界の端に、こちらをじっと見詰めている人がいた


「これにしよーっと」


安めのお肉を買う事にして、今日は一人鍋をする事にした。材料の入ったカゴを持ちながら、髪を染める為のものを見る。暗い色から明るい色まで、沢山揃っている


「染めるんですか?」
「染めた方が、何も言われないので、髪を染めて、コンタクトでもしようかな、とは何度か考えた事があります。というか、いきなりですね、安室さん」


急に隣から顔を出して、声を掛けて来た安室さんの方に顔を向けた


「たまたま、霧花くんを見付けたので」


彼は笑って答えるが、それが本当なのかは分からない


「俺を見付けて、良い事でもありましたか?」
「霧花くんを見付けた、という良い事がありました」
「そうでしたか」
「信じてませんね?」
「暫くの間は、人を信じられそうもありません」


暗めの色のものを手に取りながら、適当に答えた


「・・・そうですか。それでは、僕はこの辺で」
「はい。さよなら」


安室さんに返事を返せば、彼は去って行く。自分も帰ろうと思い、カゴをレジに持って行き、会計を済ませる

スーパーを出て、家の方に歩いた


「あの、」


暫く歩いた先で、肩を叩かれて、声を掛けられる


「何でしょう?」


声を掛けて来た糸目の男の人を見上げて訊いた


「これ、落としましたよ」
「わぁ、ありがとうございます」


お礼を言って、男の人の差し出した手の平に乗っているキーホルダーを受け取る


「それで、何かご用ですか?」
「あ、いえ、私はただキーホルダーを・・・」
「ずっと俺の事、見てましたよね。俺が学校を出た時から、ずーっと」


そう言って笑い掛ければ、男の人は何も言わなくなる


「江戸川くんに頼まれました?あの子とは、不可侵条約を結んだはずですが、理解出来なかったのかな」
「あの子は何も言っていません。私の独断です」
「そうでしたか。それで、何か?俺の事を監視でもするつもりですか?返答によっては、大声出しますよ」


見た目は小学生なので、こちらには手の内ようは沢山ある。ただ出来る事も限られると言えば、限られるけれど


「ま、俺の邪魔をしない程度になら、今日の事は、許してあげますよ」
「貴方の邪魔というのは?」
「俺の詮索をしない事、ですね」


この人にも、詮索されると困る事実があるので、事が済むまでは何もしてほしくはない。ただ、敵対関係にもなりたくはないのも事実だ

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作者名:空白可能 | 作成日時:2020年11月11日 21時

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