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目覚めた時、俺は言葉にならない声をあげていた
おぎゃー、なんて言っていて、それが自分のものである事を認識するのに、時間が掛かってしまった
どうなっているんだ、と考えていると、俺を抱いている、母親だと思われる女の人が、悲鳴をあげた
「きゃあっ」
「ど、どうしたんだ!!」
父親だろうか、その人が傍に寄って来て、俺の事を覗き込んだ
「こ、この子、目が赤いわ・・・っ」
「・・・本当だ。なんて不吉な」
そう言われた瞬間、コイツらも同じか、と何かが冷めたような気がした
それから、俺は色々な検査を受けたが、目が赤い理由は分からなかった。ついでに言えば、髪の毛の色も白い。そんな俺を忌み嫌い、育てる事を半ば放棄したようだった
そんな俺の家族には、姉がいたけれど、ソイツも親と一緒で、俺の事を嫌い、やたらと絡んでは来ては、面倒な事をして来る
何かを壊しては、俺のせいにしたり、俺に叩かれたなんて言うのも、日常茶飯事だ。親からの暴力、暴言は日常になっていた。そんな日常も、以前と変わらなくて、飽きて来る
以前の世界と全く変わらない
そんな日常の中、俺は一つの企てを思い付いた
「ねぇ、父さん。幸せになりたい?」
お酒を飲んで、泥酔している父親に問い掛けた
綿密に計画を立てて、それを実行に移した。頭が空っぽな家族なだけあって、計画は上手くいった
そして、それから暫くが経ち、俺は引っ越しをした。狭い部屋だが一人暮らしをするのなら、何の問題も無い部屋だ。必要最低限の荷物と共引っ越した。綺麗な内装で、住み心地も良かった
引っ越した場所から、通えそうな小学校を探せば、帝丹小学校があったので、そこに入る事にした
まさか、あの死神くんと同じクラスになるとは思わなかったけれど、特に気にせず、職員室で先生の話を聞いていた
「ここが、貴方の入るクラスになります」
「分かりました、先生」
「それじゃあ、ここで少し待っていて」
頷いて返せば、先生は教室の中に入って行き、待っていると名前を呼ばれ、入るように言われた。それに従い教室の中に入った
先生の隣まで行くと、教室内がザワザワと騒がしくなる
「今日から、このクラスに入る、霧花 Aくんです!!」
「霧花 Aです。よろしくお願いします」
「皆、仲良くね!!」
挨拶をして、先生に教えられた席に歩いた
「よろしくね、お隣さん」
「・・・ええ」
ランドセルを机に置いて、お隣さんに社交辞令的な挨拶をする。無愛想なお隣さんだ。別に構わないけれど。そう思いながら、席に座った
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作者名:空白可能 | 作成日時:2020年11月11日 21時