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「どうかしましたか?」
「いえ、何でも無いです。そうだ、赤が嫌いなのに無理して、綺麗だなんて、言わなくて良いですよ」


それでは、と階段を下りきった先で、安室さんに頭を下げて、小学校を目指して歩いた


「あ、霧花くん!!おはよう!!」
「ん?ああ、おはよう」


靴箱に入れば、元気良く挨拶をしてくれる女の子、吉田さんに挨拶を返す


「ねぇ、宿題やった?」
「やってないな。後でやるよ」
「見せてあげようか?」
「大丈夫だよ。三十分もあれば出来る」


昨日の宿題は少なかったはずなので、そのぐらいあれば出来るだろう。宿題という概念が消えていたので、すっかり忘れていた


「じゃあ、そういう事だから、教室に急ぐね」
「うん!!また後でね」


吉田さん達と別れて、足早に教室に向かった。ランドセルから、筆記用具を出して、机の中から昨日の宿題を取り出す


「・・・なんだ簡単じゃないか」


宿題をさっさと終わらせて、机の中にしまった

その日も何の問題も無く、過ぎたのだが、嫌な予感はしていた。下校する時に、俺の事を見て、ヒソヒソと話している奴らがいる。今更どういった訳でもないが、不快である事に代わりはない

それが子どもであろうともだ


「こんにちは」


家に帰る道を歩いていると、俺の目の前に人が立っていて、声を掛けて来る


「どうも、安室さん。こんにちは」
「一緒に帰りませんか?」


にこりと笑って言う安室さんに、拒否権は無さそうなので、頷いて返した


「それで、俺に何かご用でしたか?」
「少しお話がありまして。貴方の部屋で、話しませんか?」
「俺の部屋で、ですか?」
「はい。出来れば、誰にも聞かれたくないお話です」


何か口を滑らせたか、と考えてみたら、今朝に話した時、赤が嫌いなのに、なんて事を言ったような気がする

この人にとって、情報漏洩は死を意味する。そう考えれば、情報の大小に関わらず、危険視するのだろう


「分かりました。俺の部屋で良いんですか?安室さんの部屋でも良いんですよ?」
「僕が貴方を拘束するかもしれないのに、入れますか?」
「それはどこで話していても同じでしょう。今もこうやって話している最中にでも、安室さんは俺を誘拐する事が出来る」


今の俺は抵抗力が少ないので、どれだけ頑張っても、この人の力には敵わない。俺が昔にどれだけの怪力を誇っていたとしても、今はただの子どもである

体が弱かった為、以前もそれほど強いという訳でもなかったが


「どうぞ、入ってください」


会話をする事も無く、部屋の前に着いて、ドアを開けて、中に入るよう促した

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作者名:空白可能 | 作成日時:2020年11月11日 21時

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