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「残念ながら、私も知りません。Aくんが、いなくなったと聞いたのも今日ですし、情報が少な過ぎます」
「そう、ですよね・・・」
当たり前のように返って来た返事に、肩を落とした
「まぁ知ってても、貴方には教えませんけどね」
「えっ」
「忘れたんですか?私と貴方は、ライバルですよ!!?教えませんよ!!僕が守ります的な展開にはさせませんからね!!」
凄い剣幕で、白椿さんは言った
「し、白椿さん・・・、また何かあれば、連絡をお願いします・・・」
「しませんよ!!」
「そこをなんとか」
お願いをすると、彼女はふざけた雰囲気から一変し、真面目な表情をして、僕を見た
「真面目な話、Aくんの事が分かったところで、教えたく無いです。貴方を信じていない訳ではありません。ですが、彼を危険な目に遭わせるような人達のもとには、預けたく無いのです」
白椿さんの言う通りだった。僕自身も、そう思っていたので、ここにAくんがいない事を密かに願っていた
「もしも貴方の組織が、本当に彼を保護する目的で、安全な場所を提供してくれるのならば、私も喜んで協力します」
「・・・それは無理でしょうね。上層部は、Aくんをどうしても野放しにしたくないようです」
「分かりました。では、私は協力する事は出来ません。お引き取りください」
そう言われ、大人しく帰る事にした。白椿さんは、僕が警察組織として来たので、何も教えてはくれなかったが、あの様子だと、彼女はAくんの居場所を知っている
だが、無理矢理に訊く事も無いだろう。訊いたところで、教えてはくれない。それに今の状況で、彼の居場所を知っているという事は、どういう状況なのかも分かっている
つまり白椿さんは、いつでも僕達の組織に圧力を掛けられるという事だ
白椿さんの事は以前に調べてあるので、彼女が言ったように途方も無くお金持ちだという事は分かっている。それこそ、鈴木財閥にも勝るとも劣らない、いや、それ以上の家柄の娘さんだ
一言、彼女が何かを言えば、この捜査は打ち切られる。それが無いだけマシだと思うべきだろう
「その様子だと、収穫は無しか?」
「はい、残念ながら。そちらはどうですか?」
赤井と合流し、お互いの成果を話し合う
「こちらは、ボウヤと志保、頼れる所には頼んでいたが、何一つ見付かっていない。科学捜査でも難しいそうだ」
歩き方、顔の骨格などの識別、色々と試してもらったがヒットするものは無かったようだ。Aくんの痕跡は、本当にどこにも無かった
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作者名:空白可能 | 作成日時:2020年3月1日 0時