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「どこに」
「取り敢えず、衣服が売っている場所ですかね。その後は、Aくんの好きな場所にでも、」
「ふーん・・・」


あまり乗り気ではない彼を連れて、衣服の売っている場所に向かう。彼にはどんな服が良いだろうと考えた。彼は派手な服は好みそうも無い


「ここで探しましょう。好きなものを選んでください」


服屋に着いて、彼に言うと、何も言わずに店内を徘徊し始めた。その後をついて歩いた。少しして、無言でカゴを持たされた

彼は紺色の長袖シャツと黒のインナー、ズボンを僕の持つカゴに放り込んでいく


「終わり」
「同じものを二つずつで良いんですか?」


カゴに入っているものは、安価なもので、それが二つずつだけだった


「二枚あれば着回せるでしょ」
「そう、ですけど・・・」


もっと何か無いのか、そう思ったが、彼は何も望んでいないらしい。さっさと買って来いと冷たい目をした彼が無言で訴えて来る


「お待たせしました」


服を買って、彼のもとに戻る。壁に背中を預けて目を閉じていた彼は目を開き、立ち直した


「次は靴でも見に行きましょうね」
「まだ行くの?」
「生活必需品は全て揃えますよ」
「あっそ」


興味なさげに彼は返した


「では、行きましょう」
「はいはい」


車に戻り、荷物を後ろに積み込んで、助手席のドアを開ける。彼は何の戸惑いも無く、助手席に乗り込んだ


「靴はどんなものが良いですか?」
「着いてから決める」
「分かりました」


相変わらず、窓の外を見ている彼を横目で見る。それにしても、口数が少ない。必要な事は話してくれるので、まだ許容範囲内である

そもそも彼に対して、怒ろうという気も起こらない


「靴はこの店で良いですか?」
「見てから決める」
「そうですね」


店の中に入り、靴を一通り見て回る


「何か良いものはありましたか?」


一周回った後に訊いた。すると、彼はどこかに歩いて行き、靴が入っているであろう箱を二つ持って戻って来た


「これとこれ」
「分かりました」


彼から箱を受け取り、それを買いに行く


「後は?」
「そう言えば、下着を買っていませんでしたね」
「あー・・・」


買っていないものがあったので、それが売ってある場所を目指した


「どれにします?」
「これとこれ」


彼は適当に選んで、僕に手渡した


「・・・ピンクで良いんですか?」
「ダメなの?」
「あ、いえ、そういう訳では・・・、買って来ます」


平然と訊いて来る彼に言って、ピンク色の下着を買った

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作成日時:2020年2月10日 22時

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