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「風見さん、最初の仕事はなんでしょう」
「まずは、この報告書をまとめて俺に出してくれるか?」
「分かりました」
どこから出て来たのか分からない報告書の束を受け取り、自分のデスクに戻って、報告書に目を通して行く
その時に右手がデスクに伸びて、何かを掴もうとした。勿論、そこには何も無いので、何かを掴む事は無かった。宙を掴んだ手の平を見詰めて、溜め息を吐いた
「えーっと、何だ、これ。面白い報告書だな・・・」
報告書を目を通して行くと、半分報告書では無いような文章だった。大体、請求書だったり、始末書の類いである
被害報告書か、これは
そんな風に思いながら、報告書を簡潔にまとめ始める。自分が読みやすいようにまとめれば良いだろうと思って、適当にまとめて紙にした
「風見さん、出来ました。確認、お願いします」
「随分早いな。見せてくれ」
「どうぞ」
作った報告書の報告書を風見さんに渡した
「良く出来ている。これを降谷さんに提出しておいてもらえるか?」
「ありがとうございます。降谷さんというのは?」
「今日は午後に登庁するらしい」
「分かりました。それまで、風見さんのお手伝いしときますね」
山積みになっている風見さんの資料だのなんだのを自分のデスクに持って行き、仕事を終わらせて行く。初日だから、与えられている仕事はほとんど無い
風見さんに言われた報告書をまとめるだけで、他には無かった。初日にいきなり現場でドンパチする事も無いだろう
いずれは、あるかもしれないけど
欠伸をしながらデスクワークをこなし、チラリと時計を見れば、お昼ぐらいの時間になっていた
まだ来ないのか?と思った時だった、部屋のドアが開いた。そして、入って来た人に風見さんが近付いた
「お疲れ様です、降谷さん」
「ああ、お疲れ様。例の件だが、」
やっと来た降谷さんに先程作った報告書のまとめを持って、降谷さんのもとに向かった
「降谷さん、はじめまして。本日より風見さんの下に配属になりました。薫衣 Aです。よろしくお願いします」
「はじめまして。降谷だ。僕の事は風見から聞いているか?」
「あ、いえ、今日のお昼に登庁するとしか・・・」
降谷さんにそう言うと風見さんが軽く睨まれていた
「まぁ良い。後で説明してもらってくれ。それで、僕に何か用か?」
「はい。報告書をまとめたので、風見さんが降谷さんに提出するようにと」
持って来たものを降谷さんに手渡した
「分かりやすくまとめられているな」
手渡したものに目を通した降谷さんが呟くように言った
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作成日時:2019年11月3日 21時