検索窓
今日:20 hit、昨日:6 hit、合計:155,128 hit

ページ3

扉を開けた先に見えたのは、背凭れのあるイスに座って背を向けている人



「で、俺に何か用かな」



その人はこちらを振り返りもしないまま、俺に問い掛けた



「あ、えと・・・」


「ふむ。その返事の仕方じゃ、俺に、じゃなくて医療班に用事だね」



回転式のイスだったらしく、クルリと回りこちらを初めて向いたその人



その人は曇り眼鏡で目は見えないが口元は薄く笑っていて、口からは何か細い棒が出ていた



「あのさ、何でもいいけど、ここ禁煙だからね」



はい、と出された灰皿



「・・・すまない」



出された灰皿に届く位置まで歩いて行き、それにくわえていた煙草を押さえ付けた



「ま、そこに座りなよ。どうしたのかな?」



その人の前にある丸イスに座ると再度問い掛けられる



「風邪を、引いたみたいなんだが」


「みたいって何よ。はいはい、診ます診ます」



そう言って、その人は後ろを向いて何か準備を始めた

3→←1



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (142 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
187人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作成日時:2016年12月13日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。