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「出来る物しか作れなかったけど、待ってて、今運んで来るから」



とAさんはキッチンに消えて行く



それを追い掛けて、後ろから抱き締めた



すり、と首筋に擦り寄りすんすんと匂いを嗅ぐ



「止めなさい、昨日お風呂入って無いんだから」


「・・・いい匂いだから大丈夫です」


「全く。少しは女の子の気持ちを考えなよ」



そう言って頭を撫でられる



それが気持ちいい



「零も運ぶの手伝いなさい」


「はーい・・・」



母親に叱られる子供というのは、こんな気持ちなのだろうか



仕方なくAさんから離れて、料理を運んだ



テーブルに並ぶ料理



また料理が食べられるなんて



「ちゃんと起きた後口濯いだ?」


「濯いで来ます」



洗面所に向かい、うがいをする



そしてリビングに戻り、Aさんの前の席に座った



「いただきます」



二人で声を揃えて言う



二人で食べる食事



改めて、朝起きて誰かがいる安心感が身に染みた

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作者名:空白可能 | 作成日時:2016年11月10日 20時

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