42 キールside ページ13
「くそ・・・、何だよ、アイツ・・・っ」
そう文句を苦しそうに漏らすのは、組織に潜入していたノック
スタンレー
「ねぇ、キール」
「何かしら」
はぁ、と息を吐きながらスタンレーは私のコードネームを呼ぶ
「バーボンが置いてった、針金くれない?」
「針金?・・・あ、これね」
足元を見ると近くに針金があった
しゃがんでそれを取る。自分の手錠先に外し、スタンレーに渡した
「ありがと。キールはまだ、そこにいた方がいいよ」
スタンレーが手錠を外して言った
「貴方はどうするの?」
「私には守らなきゃいけない、存在があってね」
「・・・バーボン?」
訊くとスタンレーは頷いた
そしてゆっくりと立ち上がった
「無理しない方が・・・!!」
「大丈夫よ、このくらい。それにね、私は守らなきゃいけないの」
スタンレーはふらつきながらも言う
「例えこの足を引き摺ってでも、地面を這い蹲ってでも、守りに行かなきゃいけないのよ」
「・・・そう。気を付けて」
私はスタンレーに何も言えなかった。スタンレーは頷き、左腕を押さえながら走って行った
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作者名:空白可能 | 作成日時:2016年11月10日 20時