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それは些細な事だった



いや、俺にとっては些細な事では無かった



お嬢が組織に潜入すると言い出した



組織にいた時の記憶をFBIに流せばいい話なのに



「どうして、潜入する必要があるんです!?」


「少しでも貴方の役に立ちたいの!!」


「そう思うなら家で大人しくしてて下さい!!」



バンッとテーブルを叩いて立ち上がる



「どうして分かってくれないの!?」


「俺はお嬢の為を思って・・・!!」


「・・・なら、」



耳を塞ぎたかった



聞きたくなかった



「私の事を思うのなら、」



言って欲しくなかった



「私の事を思うのなら、金輪際私と話さないでちょうだい」


「・・・え・・・?」



言われた事を理解出来なかった



その日から、俺達は言葉を交わす事が無くなった



哀しかった、泣きたかった



でもそれを慰めてくれるお嬢はどこにもいなくて



独り、なんて嫌だ

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作成日時:2016年10月27日 22時

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