クランクアップ ページ29
♔ ♔ ♔
「月崎さん、藤咲さんクランクアップでーす！」
共演者の方からはもちろん、スタッフさん達も温かい目でパチパチと拍手を送ってくれる。監督も上機嫌。それもそうだ、このご時世なのに毎話2桁台をキープしたんだから。最初は不安でしかなかったけど、主人公役が月崎さんで良かった。このドラマ、2人が付き合うようになってからベッドシーン含め濃い絡みが異様に多くあった。月崎さんのように好意を抱いている相手じゃなかったら精神を保てなかった気がする。
「打ち上げやろう、僕の奢りだよー！仕事ない人は強制参加！」
奢り、というワードに皆大喜び。この後仕事入ってないけどどうしよ･･･。チラリと月崎さんを見ると、すぐに私の気持ちを察してくれた。
「仕事ない奴は強制、やからな。とりあえず行こか。それと、」
周りに聞かれないためとはいえ、色気のある低音ボイスで囁かないで欲しい。
「あんまり飲み食いせんとき、俺らだけで二次会しよ」
断らないといけないのは理性では分かっているのに、本能的に私はコクリと頷いてしまった。
「意外と上手く抜け出せましたね」
「な、あの監督やったらもっとしつこいかと思ったけど。ま、ラッキーやったということで」
夜の街に私達はどれくらい溶け込めているんだろう。周りに芸能人だとバレないか、冷や冷やしながら月崎さんの隣を歩く。そういえば、どこに向かって歩いているんだろ？
「あの、目的地は･･･」
「ちょっとリッチなレストラン、予約しといてん」
ちょっとどころじゃない･･･。着いたのは高級フレンチレストラン。あれ、このお店もしかしてーー
「私が休憩中に良いなーって見てた･･･？」
「ずーっとここのレビューサイト眺めとったから興味あるんかなって」
スマホののぞき見は頂けないけど、そんな細かいところに気づいていたなんて。私の心臓はまたうるさくなっていく。
「流れで告白してもたやん？やから俺は本気やでってとこ見せようと思って」
熱意は十分伝わってたよ。デザートまで食べ終わってのんびり過ごしていると、そう切り出された。目の前に差し出された細長い箱、真剣な瞳。嫌な予感しかしない･･･。
「ドラマ撮影ひと息ついたし、俺と付き合ってくれませんか？」
嬉しいけど、聞きたくなかった言葉。この甘い雰囲気に流されちゃ駄目だ。月崎さんを傷つけないように断らなくちゃ。
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凛月花(プロフ) - 昴流さん» コメントありがとうございます。こんな作風で良ければぜひぜひ他の作品や新作もお願いします！ (2022年10月10日 23時) (
レス) id: 16a1f91fe3 (このIDを非表示/違反報告)
昴流(プロフ) - 完結おめでとうございますー！そしてお疲れさまです！！更新楽しみにみさせて頂きました！他の作品も是非見させていただきます！！ (2022年10月10日 18時) (レス) id: 519270a62c (このIDを非表示/違反報告)
アウラ(プロフ) - 凛月花さん» はい。気長に待ってますね。 (2022年10月9日 20時) (レス) id: 6edb471501 (このIDを非表示/違反報告)
凛月花(プロフ) - 色々考えてみます！ (2022年10月9日 20時) (レス) id: 16a1f91fe3 (このIDを非表示/違反報告)
凛月花(プロフ) - アウラさん» いつもコメントありがとうございます。smskも近づいてきているし、久々にsnrさんオチ挑戦しようか迷ったり次の方向性が全く定まってない状態です() 今考えてるのは途中で頓挫する可能性もあるので、そう言って頂けるのなら両方するのもアリかも･･･体調に気をつけつ (2022年10月9日 20時) (レス) @page40 id: 16a1f91fe3 (このIDを非表示/違反報告)
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