雨中の強行 ページ38
♧ ♧ ♧
「もう、ほんっと勝手なんだから」
そう呟いた私の独り言は、外の大雨でかき消されてちょこんと座る坂田くんにも聞こえていない気がする。もう今日で３日だ。うらたさんが目覚めないのも、警報が出るレベルで雨が降っているのも。紗代曰く、おそらく神様としての力を使い果たしたんだろうって。青白い顔で死んだように寝ているから不安で仕方ない。そっと膝枕してあげているうらたさんの頭を撫でていると、紗代が玄関の方に向かっているのが見えた。紗代も、警報が出ているからとこの３日間ずっと神社の裏の家に泊まり込んでいる。その後ろを、狼姿の志麻くんがついていく。
「紗代ー、こんな天気なのに志麻くん連れてどこ行くの？」
「ちょっと村の見回りに。なんか嫌な予感がするし･･･」
そんなの、晴れてからで良いじゃん。隼人くんみたいに落雷にあったら･･･。私の方が嫌な予感がして不安だよ。私も連れて行ってもらお。センラくんと坂田くんにうらたさんは任せとけば良いし。
「私も行く！見回りって何するの？」
「Aはうらた様の傍にいて。その方が目覚めるのが早くなる」
私が傍にいるとうらたさんの力が増幅すると聞かされたけど、正直半信半疑だった。私、うらたさん達みたいに神様じゃないし、紗代みたいに超能力ある訳でもないんだよ？前世は知ってるけど･･･。
「紗代、連れて行ってあげ？坂田もAちゃんには負けるけど回復させる力あるし。それに、愛は時として刃になるってことも分からせてる方が良いんちゃう？」
台所で昼食の準備をしていたセンラくんにまで会話が聞こえていたらしい。愛が、誰かを傷つける？愛って優しいものじゃないの？そんなことを言うセンラくんの笑顔はどことなく恐怖を感じた。坂田くんも神様の姿に変わり、ふりふりと手を振って完全にお見送りモード。
「そんなおもろいもんでもないけど、この村の実態知るには良い機会やと思う。怖くなったらあのお守り握り？うらさんは、きっと魂が消えてでもAちゃんのこと守ると思うから」
「ねぇ、こんなとこ行くの･･･？道ないじゃん」
「正確には整備された道が、な。獣道ならあるから通る分には問題ない」
そういう問題じゃないと思うんだけど･･･。志麻くんを先頭に、私が１番危ないからと紗代が最後尾で歩いているのは村のすぐ近くにある森。なんか出そうなくらい鬱陶しいし、鉄臭いような･･･。
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凛月花(プロフ) - Rioさん» コメントありがとうございます。期待に応えられるよう頑張るので、最後までよろしくお願いします！ (2022年11月17日 21時) (
レス) id: 16a1f91fe3 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 楽しみにしています！これからも頑張ってください！ (2022年11月17日 20時) (レス) @page50 id: 3c137712a9 (このIDを非表示/違反報告)
凛月花(プロフ) - 気の抜けた中華街を歩くコンクリきゃっっとさん» コメントありがとうございます！山村というかなり特殊設定てんこ盛りなので気に入って頂けてうれしいです！続編も頑張るので最後までお付き合いよろしくお願いします！ (2022年11月16日 23時) (レス) @page5 id: c0eb9ea164 (このIDを非表示/違反報告)
気の抜けた中華街を歩くコンクリきゃっっと - コメント失礼します◎素敵な作品ありがとうございます！✨一気読みしました😋💚物語の設定や言葉の言い回しがとても惹かれました…🐱💚続編の方も読ませていただきます！◎◎ (2022年11月16日 23時) (レス) @page50 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
凛月花(プロフ) - アウラさん» 誤字指摘ありがとうございます。今回は夢主ちゃんの体調を思ってですが内心は悶々としてるし、夢主ちゃんが勝手にsnrさんと料理してたらガチギレ案件だと思いますｗ (2022年10月8日 20時) (レス) @page36 id: 16a1f91fe3 (このIDを非表示/違反報告)
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