【sm】しょまくん保護しました

身バレ ページ9

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「王子くんはさ、推しとかいるの？」
「うん！僕ゲーム大好きだから、2次元結構いるよ。あとはNiziUとかK-POPかなー」

2人は推しの話で大盛り上がり。本当は歌い手の話して欲しくないんだけどまぁ良いや。私が志麻リスってことがバレなければそれで良い。変に会話に加わって口を滑らせるのが怖くて、私は黙々と食べて鍋奉行に徹している。やっぱりこんなハラハラしながらご飯食べることになるくらいなら、七海との関係が拗れるの覚悟で断ってる方が良かったのかなぁ。

「Aお姉ちゃんは、推し活してないの･･･？」

志麻さん気を遣ってくれたのかな。全く喋らない私に話題を振ってきた。そういうの興味ない、と答えるより先に七海が口を突っ込んできた。

「Aはね、志麻さんっていう歌い手推してるの！写真見る？王子くんにそっくりなんだよー！」
「見たーい！七海お姉ちゃん見せて見せて！」

七海ー!!!!あぁ死んだ、私の推し活ライフどん底･･･。そんなことなんていざ知らず、七海は志麻さんのTwitterやらインスタやらYouTubeをご本人に見せて回る。

「僕も大きくなったら歌い手になる！んでお姉ちゃんに推してもらう！」
「お、良いじゃん！王子くんなら絶対大物になるよー！私最古参になりたいんだけど、良い？」

もう大物歌い手です!!この2人、混ぜるな危険かもしれない･･･。2人の会話を聞くのも疲れてきて、無視して食べようとすると思いがけないことを言われた。

「ごめんね七海お姉ちゃん。僕、Aお姉ちゃんに最古参になってもらいたい。2号じゃ駄目？」
「えー。まぁAのおかげで王子くんに出会えた訳だしね。分かった、最古参はAに譲る！」

最古参･･･。別に歴の長さで推しへの愛を推し測ろうなんて考えは私には更々ない。でも、歴の長さで言うと中堅の私はもっと早く志麻さんに出会いたかったなと思うことは何度もあった。なんで気に入ってくれてるのかは分からないけど･･･こんなこと言われて嬉しくない人なんてきっといない。

「お姉ちゃん、大丈夫？お顔赤いよ？もしかして、風邪？」
「えっ？･･･あぁ、大丈夫だよ！熱いもの食べたから、きっと体があったまったんだよ」

ううん、きっと違う。でもこの想いに気づいちゃ駄目なんだ。

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