【sm】しょまくん保護しました

とんちな偽名 ページ8

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「え、めっちゃ可愛いー！Aの血筋でこんな可愛い子いるんだー」

ちょっと失礼じゃない？七海は家に入るなり、私と一緒に玄関に来た志麻さんを見て興奮状態。そりゃ本当は赤の他人だからね？おそらくうちの親戚でこんな顔の整った子いないだろうけども。可愛いと言われて不快になる人もそういない。例に漏れず志麻さんも褒められてニコニコとしている。七海はすっかり子供姿の志麻さんにメロメロ。これ私空気では？忘年会というより、七海と志麻さんの親睦会になりそうな予感･･･。

「君、名前は？」

ヤバい･･･！志麻さん、そのまま志麻って答えないで下さい！確実に疑われる！志麻って名前珍しいから、とんでも展開になりかねない。私の背中をツーっと冷や汗が流れた。あ･･･！七海の鞄には、去年のたぬわんで発売されたやまだぬきちゃんと、今年のたぬわんで発売されたうらたさんのぬいぐるみキーホルダーが。志麻さん、あれで七海がこたぬきだって気づいててくれ！

「畑中王子だよ！」
「王子、くん･･･？キラキラネームじゃん！でも親の気持ち分かるわー。こんな可愛い子なら王子ってつけちゃうよね！」

ハタ皇子！？あなた工藤新一並みかそれ以下のネーミングセンスでは！？まぁ、これで志麻さんの身バレが回避できたのだ、良しとしよう･･･。やっと玄関から移動し、鍋の準備に取り掛かる。私達が準備を進めている間、志麻さんは邪魔になったらと思ったのかリビングに移動した。スマホをいじる志麻さんを興味津々といった様子でチラチラと七海が盗み見る。

「ちょっと、手動かしてよ。いつまでもご飯食べれないでしょ？」
「はーい。にしてもあの子、志麻さんに似てると思わない？ホクロの位置までそっくりじゃん。A、あんま子供好きじゃないのに預かったの、あの子が志麻さんに似てるからでしょ？」

私には兄弟がおらず、いとこもいない。おまけにうちの親が親戚と疎遠なので、仮に親戚に同世代の子がいたとしても、全く交流がないままここまで育った。つまり、子供の扱いに慣れていないんだよね。その点、子供っぽく振舞っているものの中身は大人の志麻さんは普通の子供より接しやすいかも。単に推しだからそう思うだけかもしれないけど。それより――

「あの子に志麻さんの話しないでね」
「えーなんで？私うらたさんのこととか浦島坂田船の話しようと思ってたんだけど。布教活動大事だよー？」

あの年の子相手に止めてくれ！しかも本人だし‼

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