【USSS】腹ぺこ悪魔と甘々ケーキ

お目覚め ページ23

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「んー･･･なんか血の匂いしとう気がする･･･」

あ、坂田さんが起きそう！まさか･･･ヴァンパイアみたいに吸血しないよね？寝覚めのきっかけが血の匂いというのに怖さを抱いてしまった。婬魔は血なんて求めないはずだけど、それはあくまで人間界で伝わる話であって、実際は違うかもしれない。ふわぁ〜と大きな欠伸をした坂田さんは、私の腕を見てぎょっとした。

「なんで血出とん！？俺が爪で引っ掻いてもた･･･？」
「ちゃうちゃう、Aが寝とう間に暴れて点滴抜いてもてんよ。入れ直さなと思ったタイミングで起きてこの状態って訳」

センラさんいけしゃあしゃあとなんて嘘を･･･！坂田さんに、私はすごく寝相が悪いって思われるじゃん！別に悪魔に好かれたい訳じゃないけど、寝相が悪いなんて勘違いはされたくない。私以上に、思いっきりセンラさんを睨んだのは坂田さんだった。

「分かりきった嘘つくなや。Aからお前の魔力の気配がする、なんか契約結ばせたやろ？この血はそん時の傷やろ絶対」
「仮にそうやったとして、やから何？坂田の運命の番(エタナールドール)は桜なんやろ？俺の運命の番(エタナールドール)のAと何しようが坂田には関係のない話やん」

坂田さんとセンラさんまで･･･。私がここに来たせいで、4人の関係がどんどん壊れている気がする。ならいっそ帰りたいんだけど。しばらく睨み合っていた2人だったけど、先に次のアクションを起こしたのは坂田さんだった。

「･･･まぁ良えわ。どの道うらさんにバレたらお前どんな目に遭うか分からんで。あの人事後報告とか大っ嫌いやからな。A腕こっちに出して？」

私には甘い声でそう言った坂田さんの方に腕を伸ばすと、坂田さんが傷口に手をかざした。坂田さんの手から放たれた赤い光はポカポカとあたたかい。そのあたたかさに気持ち良いなと思っていたら、いつの間にか傷は治っていた。

「坂田は珍しい治癒能力が使えるけど、その分栄養も摂らんかったら即栄養失調で死ぬから難儀な体質よなー。じゃあ俺は眠り姫の食事を今度こそは用意してくんな〜」

センラさんがそう解説した後、部屋を出ていった。センラさんが退室した途端、ぎゅっと坂田さんに抱き締められた。

「なぁほんまのこと言って。どんな契約したん？」

センラさんには、伝えるなって言われたからな･･･。

「他人に教えたら殺される契約で･･･」
「ならしゃーないな」

ごめんなさい嘘ついて。

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