【USSS】腹ぺこ悪魔と甘々ケーキ

提案 ページ22

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「手作りできないんですか？その淫魔専用のお菓子」
「手作り･･･？人間ってやっぱおもろいねぇ、その発想はなかったわぁ」

妙に感心されてしまい、提案したものの気恥ずかしくなってきた。私１人で悪魔４人の食糧になるのは無理があり過ぎる。センラさんは私が坂田さんに好意を抱いているとでも思っているみたいだけど、別にそういう訳じゃない。うらたさんほど嫌悪感もないけど。あくまで自分の身を守るためだ。

「そのお菓子開発、俺も協力させてくれん？」
「え･･･良いんですか？あんまり私と関わるとうらたさんに怒られますよ。現に志麻さんとうらたさん、私のせいで今上手くいってないみたいだし」

まさか協力を申し出るなんて思ってもみなかった。下手したら止められるかもしれないと思ったのに。悪魔にも情というものはあるらしい。

「ほんまにそれが実現したら坂田の栄養補給も随分楽になると思うから。条件飲んでくれたら俺の知識と料理の腕貸してあげる」

条件、という言葉に一気に冷汗が出始めた。よくファンタジー系の小説とかであるよね、悪魔の手を借りるために何か犠牲払ってみたいな。何を請求されるか考えると、さっきまでは親切だなんと思った心は一気に恐怖で染まった。

「条件、とは･･･」
「まずこの計画のことを誰にも言わないこと。キッチンで作業してたらいずれバレるやろうけど、できるだけ坂田に知られん方が良えと思うねん。坂田気遣うやろうから。それと、毎回俺にもお菓子作って。Aの作れる人間界のお菓子で良えから」

なんだ、そんなことか。案外内容が難しくなかったから、一気に肩から力が抜けた。きっと自分１人で模索するより淫魔のセンラさんに協力してもらう方が捗る気がする。私は条件を飲むことにした。

「その条件ならお願いします！」
「二言はなしやで？じゃあ契約結ばせてもらうな〜」

そう言ったセンラさんが手をかざすと、黄色の魔法陣が私の目の前に現れた。まさかこんな簡単なお願いでも契約を結ばされるなんて･･･。

「その魔法陣に血１滴垂らして。点滴の針抜いたら出るんちゃう？」

私看護師じゃないのに？恐る恐る腕から針を抜くとやっぱり看護師さんとやり方が違うのか、いつもより血が出た。それを魔法陣に垂らすと、一瞬更に黄色が濃くなった魔法陣は消えてしまった。これ条件守らなかったらとんでもないことされるんだろうなぁ･･･。

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