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12月1日、朝休み。志麻の熱狂的なファンや恋してる子は早速うちのクラスに押しかけ、志麻にプレゼントを渡している。当人はせっかく大量にプレゼントを貰ったのにブスっとしているけど。これだけ騒がれたら逆に疲れるか。私はというと、その人だかりに押し入る勇気なんてなくて、時間だけがあっという間に過ぎ、帰りのSTになっても声をかけることさえできなかった。これはもうポストinかなと思っていた矢先、事件は起こった。

「あ、それ葵の財布とスマホじゃん!」
「月崎くんが犯人だったの!?さいってー!」

女子2人の甲高い声が、もうすぐ放課後になると浮足立っている教室でもよく響いた。何かトラブルみたいだけど・・・いまいち詳細が分からない。私は近くにいた男子に声をかけた。

「ねぇ、なんで騒ぎになってるの?」
「月崎のリュックから山村の財布とスマホが出てきたんだよ」

志麻が盗み?そんなことするはずない!でも、もしここで志麻を庇えば私のイメージは一気に下がる。なぜか志麻を窃盗犯だと決めつけているクラスの雰囲気。普段関わりのないクラスメイトは志麻がどういう人か知らないから味方なんていないんだ。もう他人の評価や見栄なんて、動きにくいドレスとガラスの靴は捨てちゃおう。今ここで庇ったら退路がないのは分かってる、それでも!

「私は志麻がやってないって思う。志麻がそんな人間じゃないって、幼稚園からの付き合いの私が1番よく知ってるから。真犯人は私が見つける!」
「本気で言ってるの?Aちゃんなら先生にきちっと言って葵の力になってくれると思ってたのに、残念だなぁ」
「勝手に探偵ごっこしてれば?」

私はとりあえずどういう経緯で山村さんの私物が見つかったのか、本人に聞くために志麻の机に駆け寄った。言いがかりをつけられたからか、少し放心状態のような気がする。

「顔色悪いけど大丈夫?」
「大丈夫、ではないかな。退学処分なったらどうしよ思って。さっきは庇ってくれてありがとうな。でもこんなん犯人見つからんと思うで、カメラあった訳ちゃうし」

茨の道だと分かってるけど、やれることをやらないと。とりあえず、聞き込みかな?午前の休み時間は山村さんがスマホいじってる姿見たから、怪しいのは昼休みからかな。なんて考えていると、

「月崎くん、志水さん。ST終わったら空き教室で話したいんだけど、良いかな?」

・→←【sm】夕空セニシエンタ(凛月花)



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作者名:ぱらら&凛月花 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年9月15日 13時

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