【usss】出来合いワンナイト・ラブ

回復 ページ10

🍸️ 🍸️ 🍸️


夏樹くんとの夜はとにかく甘かった。彼は言葉攻めが得意で、ただでさえテクニックがあるのに、感じていることを実況されたり、甘い言葉を耳元で囁かれるから堪ったものじゃない。何度も落とされた好きという言葉は、一時的でしかないもののセンラくんによって開けられた穴を埋めてくれた。

「夏樹くんは同じ女性を抱きたくないタイプ？」
「いつもはね。でもなんでかな、Aちゃんとはまたシたいな。連絡先、交換する？」

彼にとって特別になれたのだと思うと、他の女性に対する優越感で胸がいっぱいになった。あわよくば私だけを抱いて欲しいけど、この関係でそれを求めるのは強欲だ。私はイ＊スタのQRコードを画面に表示し、彼も特に疑問や文句を言うことなくそれを読み取った。センラくんと志麻くん以外に新たに増えたたぬきのアイコン。さすがに他人の家の物を撮って投稿するのはなー。あ･･･。私は馬鹿だけど、悪魔的発想は結構思いつく。センラくんとはTw＊tterでも繋がってたんだった。こっちは確か、イ＊スタするならこっちも垢作る？と謂わばノリで作り、全く機能していなかった。センラくんも私もアカウントはそのまま。彼がTw＊tterの通知をオンにしてくれていたら、十分復讐になる。


たぬき🍃のアイコン可愛い！💕
昨日の夜🏩の姿からは想像できないけど笑

わざとらしい絵文字付きでそうツイートした。







新しいことを始めれば、この辛さも少しは薄らぐんじゃないか。何度も桃ちゃんに趣味を持つことを勧められ、仕事中に考えることではないけどそう結論づけた。２人と夜遊びするようになってから、恋煩いは性懲りもなく心に居座り続けているけど、火だるまからのいじめは気にならなくなった。彼らに慰めてもらうようになってから仕事も大活躍、とはいかないが普通にこなせるように戻ったから大半の人間は元の態度で接してくれるようになったし。でも――





『確かに荒い部分もありますが、そこを直せば良い企画書や思うのは僕だけですか？』






彼と初めて出会ったプロジェクトの会議の時のようには上手くいかない。センラくんは事業パートナーとしても最高だったんだなと改めて思い知った。今日は志麻くんの働くホストクラブでも行こっかな。一昨日ホストクラブの方出勤だって言ってたし。彼らと会う時全くオシャレしてない訳じゃないけど、今日は気合い入れないと。こんなに自分を綺麗に見せたいなんて思うの、いつぶりだろう。

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