【usss】出来合いワンナイト・ラブ

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「お邪魔しまーす」
「どうぞ。ていうか今日からここで住むねんからそんな固いこと言わんで良えよ」

まぁ、案の定社長には散々なことを言われた。だから、私達が下した決断はーー退社。センラくんは前から誘われていた、大学時代の友達が立ち上げた会社に拾ってもらった。私はそういったコネがないから、とりあえずアパレルショップでバイトをしている。お互いほんの数年とはいえ積み上げたものを捨てたから、少しでも節約したい。特に私はバイト生活で苦しいから、センラくんのマンションに同棲させてもらうことに。移り住む前に一度見たかったのに、お楽しみなんて名目で今日まで敷居を跨げなかった。

「私のとこより立地良いし広いねー。作業部屋、潰して本当に良かったの？」
「会社に残ること多くてほぼ使ってなかったから気にせんといて。今の会社、友達のおかげで家でまでがっつり仕事せんで済みそうやし」

申し訳ないけど、使わせてもらおっか。センラくんも率先して片付けを手伝ってくれ、夕方には粗方段ボールはなくなった。

「手伝ってくれてありがとう。ご飯私に作らせてくれる？初めて使うキッチンだから手間取るかもだけど」
「良いん？久々にAの料理食べたい。でも皮剥きとかやるわ」

この感覚、懐かしい。お父さんは料理からっきしだったし、私が作る時はお母さんも手伝ってくれなかったし。2人で料理するって、負担が減るだけじゃなくって心もあたたまるから、好き。好きな人とだから、そう思えるのかな？

「なぁ、風呂も寝るのも一緒にしぃひん？」

はぁ！？突然の爆弾発言に、包丁を持っていた手が滑り指を切ってしまった。あちゃー、深くやっちゃったみたい。

「ごめん、絆創膏貼ってくるね。万が一血がついたら汚いから皮剥きと切るのお願いできる？」
「自分で巻くの大変やろ？俺がする。絆創膏直してるとこ分からんと思うし」

至れり尽くせりの彼に対して、あれくらいで動揺して迷惑かけてる私情けないな。大人しく手当てを受けていると、優しく頭を撫でられた。

「急に何？」
「しゅんとしてるなー思って。離れとった分、これからいっぱい甘やかしたいし尽くしたいんよ。それに、あの部屋狭いやろ？俺の部屋で一緒に寝よ、な？」

何回惚れさせたら気が済むんだろ。私は反射的に抱きついていた。

「甘えたさん？雨の日以外でこういうの初めてやから、嬉しいわ」

毎日が初恋みたいな恋も悪くないよねーーEND

【sm　end】like a sunflower→←〃

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