【usss】出来合いワンナイト・ラブ

攻守逆転 ページ23

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後日、会社終わりに坂田くんと合流し、私達はホテルに向かった。彼は副業以上にワンナイトが病院にバレたらまずいことに気づいていないのか、案外すんなり了承してくれた。どこかぎこちない仕草。もしかしたら、志麻くんと違ってこういうのはあまり慣れていないのかもしれない。好奇心で危ない橋を渡る気になったのかも。

「ほら、脱がせてや」
「･･･私が？」

部屋に入ってすぐ手を握られてベッドに連れていかれた。グイグイ来るタイプかと思いきや、まさかの要求。志麻くんは有無を言わさず脱がせるし、センラくんには羞恥プレイで目の前で脱ぐよう指示された経験はあるけど、男性の服を脱がせたことは一度もない。拍子抜けしている私なんて優くんはお構い無し。

「ずっと男に主導権握られとんの？俺は言いなりになってあげるよ、弱味握られとう身やし」

見つめる妖艶な瞳は魔法を放っているのだろうか、その魅力に吸い寄せられた私はいつの間にか彼の服に手をかけていたーー

「んっ、良え子やね。でももっと欲張りになってよ。どうしたら･･･そうや、誰も呼ばなそうな呼び方決めよっか」

私の好きなようにさせているように見せかけて、その実主導権を握っているのは優くんだ。もう終わり？なんて煽ったり、もっとってせがんだり。結局自分のしたいように誘導している。でも何故か嫌な気はしなかった。絶妙なさじ加減で私に手綱を握らせてくれているからだと思う。自分のタイミングでキスしたり、踏み込んだり。今までにない体験に、身も心も溶けちゃいそう。

「ご主人様、お嬢様、姫ーーダーリン、とか？」
「ハニーじゃなくて？」

私がそう聞きながら彼のイイ所を刺激すると僅かに色気のある声を漏らす。散々弄ばれてるもの、彼には悪いけど今まで感じていなかった鬱憤を優くんで晴らさせてもらおう。

「ハニーって相手を平等か下に見とう気がするの俺だけ？俺は雫ちゃんにご奉仕したいねん。それに、ダーリンって最愛の人って意味あんねんで？」

本心じゃないかもしれない、というかその可能性が大だ。なのにチョコレートのように甘くて少し苦いこの雰囲気に溺れてしまいそう。

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