【usss】出来合いワンナイト・ラブ

本業 ページ22

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「なんで私が付き添いに･･･」
「しょうがないじゃん、あっくんがどうしても仕事休めなかったんだから！」

私は今日、病院に来ていた。妊娠中の友達の6ヶ月検診。いつもなら旦那さんと来ているけど、旦那さんが来れなくて1人で来るのは不安だからと、偶々仕事が休みだった私が引っ張りだされたのだ。

「良いじゃん、Aも例の彼ともうすぐゴールインするんでしょ？そしたら時間の問題で子供もできるから、事前体験ってことで！」
「あー･･･」

こいつにはセンラくんとの婚約のこと言ってたんだ･･･。本当のことを言うべきか迷っていると、急にトイレに行きたくなってきた。トイレに行くってごまかして逃げよう。

「ごめん、私お手洗い言ってくる。順番まだまだだから良いでしょ？」
「私の診察までには戻ってきてね！」

さすがにそんな長くないよ。大きな病院だから患者さんも多くて、人混みをかき分けながら歩いていると誰かとぶつかってしまった。

「すみません･･･あ！」
「こちら、こそ･･･」

謝るためにぶつかってしまった人の顔を見ると、見慣れた可愛らしい顔立ち。白衣の名札を見ると、『看護師 坂田明』と書かれていた。優くんって、看護師だったんだ。確か病院って、基本副業したら駄目なはずじゃない？

「･･･僕が看護師ってこと、口外しないで下さい。僕のできることならなんでもするので」
「じゃあ、Tw＊tterのDMで送るね。お仕事頑張って」

秘密を握っちゃった。そうほくそ笑む私はつくづく性格の悪い女だ。彼は一夜の恋人ごっこに乗ってくれるかな？後でDM送ろーっと。どうにかして傷を埋めようと、人肌が恋しくて仕方がない私は病院には似合わない笑顔で再びトイレに向かった。

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