【usss】出来合いワンナイト・ラブ

都合の良い妄想 ページ19

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最悪、席空いてない･･･。翌朝、雨が降っているのもあって電車は満員。昨日はずっと床で体を重ねたせいで、腰だけじゃなくて全身が痛むから座りたかったのに。痛むのは筋肉だけではない。雨で低気圧になっているせいで頭痛がする。昨日まで梅雨晴れしていたのが奇跡だった訳だけど、梅雨が本領発揮したせいで正直動きたくないくらい頭がガンガン痛む。とりあえず、仕事だけ乗り切ろう！







「雨夜さーん、これ営業部の方持っていってくれない？」
「･･･分かりました」

やっと休憩に行けると思っていたのに･･･。火だるまの取り巻きの人に、書類の引き渡しを押し付けられてしまった。この嫌がらせはセンラくんと付き合っていた時からあった。付き合っていた時は仕事を頑張っているセンラくんを合法的に見られるから嬉しかったけど、今は気まずいな。押し付けられた以上、持って行かないとややこしいことになる。気が進まないけど、私は営業部に向かった。部屋に入る直前、営業部の近くの休憩室から漏れた声を聞いてピタリと足が止まってしまった。

「お前大丈夫か？日に日にやつれてんじゃん。噂では折原がフったことになってるけど、もしかしてフラれたのか？」
「いや、フったんは俺やけど･･･色々諸事情があってさ。やっぱ初恋って実らんようになっとんのかも」

諸事情って何？それに私が初恋じゃないじゃん。私と付き合う前も、うちの会社の色んな子と浮名流してたもん。同期らしき相手が私の疑問を有難いことにぶつけてくれた。

「お前しょっちゅうとっかえひっかえしてたじゃねーか。半年付き合ってたのこれが初じゃね？」
「ううん、あの子と付き合って恋がほんまはどういうもんなんか分かってん。ほら恋って知らん間に落ちるって言うやん？とにかく、世間とはずれとうかもしれんけどあの子が初恋の子やねん」

私は彼にとって特別だったの？じゃあなんで別れたの！センラくんの表情が気になって、少し空いているドアの隙間から覗いてみるとすごく切なそうな表情をしてスマホに視線を落としている。あの画面もしかして･･･イン＊タ？ねぇ、そんな顔で私の投稿(違うかもしれないけど)見ないでよ。センラ君もまだ私のことをって、変に期待しちゃうじゃん。

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