・ ページ28
ハッキングして手に入れたシステムを再度ハッキングして、外見情報をオフにする
大断裂を落ちている間に習得したその技で、ケインのスキルだけを発動した
大気の流れを変換して、ゆっくりと着地。
「いやぁー、下が水溜りで助かったね！」
苦しく感じられる言い訳を吐きながらも、大断裂を観察する
私だけなら登れないことはない岩肌。
しかし、常人には無理だろう
フローリーとかに登れって言ったら殴られそうだな…
あの人、めちゃくちゃ動けるのに動かないんだもん。
「ど、どうする？もしかしたら上には戻れないのかな？」
不安そうな顔のリコに視線を戻して、15m先を指差す
「…あの扉、何だろ？」
スキャニングのおかげであれが何なのかは知っている
ブルーシールドが設置した大断裂内部を調査するための扉。
「…なにこれ、立入禁止って書いてあるけど…ブルーシールド？」
「ねぇ、マキナ。これを使えば上に戻れるかも！調査用ってことは上にも繋がってるんじゃない？」
こういう時は疑い深いマキナよりリコのほうが説得が楽
ドアノブに触れたリコの手で地下への扉が開かれた
「……なにここ」
マキナの呟きの原因は、扉の奥に広がっていた空洞
荒廃して今にも崩れそうなビル群が、天井の様に見える六本木の地下を支えているようだ
見たことのない景色に癖で広域スキャニングが発動する
『ヒトヒトヒトヒトヒトヒトビルビルビルビルビルロッポンギヒルズビルビルヒトヒトヒト』
一気に頭の中になだれ込んできた情報に吐き気を催してその場に倒れ込む
「A！？大丈夫！？」
スキルをコントロールできない
スキャニングが止まらない
まるで発現したての頃のように歯止めの聞かない情報の渦に体内の熱が上がっていくのが分かる
光学迷彩スーツに仕込んである治癒ソフトが発動した
しかし、それによって私を苦しめるスキャニングの対象が増えた
「たすけ…」
治癒ソフトが作動したことでメンバーに警報が届いたのだろう、DPDが着信を示した
『大丈夫かA』
突如響いたクロードの声に安心して、息を整える
「だ、大丈夫…大断裂に落ちちゃって……」
2人がいる為に、スキルのことを伏せて言葉を発する
『……大断裂……いいか？何も考えないで、情報をシャットアウトして進め。大丈夫、Aならできる』
デバイスに触れることが苦しいのが分かっているかのように、すぐに切れた通信
彼の言った通り、情報をシャットアウトして立ち上がる
「大丈夫、行こうか」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まめもやし(非ログ垢の主です) - らっちゃんさん» ありがとうございます(*^^*)更新頻度は下がりますが、がんばりますね！！ (2022年8月30日 20時) (
レス) @page23 id: b87ba5c8ac (このIDを非表示/違反報告)
らっちゃん - 話の構成とか内容めっちゃ好きです！！！更新楽しみに待ってます！！ (2022年8月29日 9時) (レス) @page23 id: 06f99a7406 (このIDを非表示/違反報告)
unnkochan(プロフ) - 更新めっちゃ楽しみに待ってます！ (2022年7月30日 3時) (レス) @page21 id: 2e0d79559a (このIDを非表示/違反報告)
まめもやし(プロフ) - 由佐名さん» ありがとうございます！最近放置しちゃってるので、申し訳ないです…😭 (2021年11月15日 19時) (レス) id: b87ba5c8ac (このIDを非表示/違反報告)
由佐名(プロフ) - めっちゃこれ、好きです！ (2021年11月15日 19時) (レス) id: 8c7ccdcd67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめもやし | 作成日時：2021年11月8日 19時
