超東京の狼ガール。 (ページ34)

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とりあえず、探偵たちの質問は無視してフォルダを開く

…これほんとに私たちのフォルダなのかな？
人名と死因が書いてあるシンプルな表に不安になる

ん？この死因なんかおかしい
全部遺体が見つからなくてもおかしくない死に方だ
それに行方不明、人攫いとかもある

「これは…子供を連れてきた方法、かな？」

…なるほど。さすが探偵(仮)

ユキは雪崩にあって気づいたら施設にいたって言ってたっけ
このフォルダに私の情報があるなら彼のものもあるはず

「…あった」

「自分の見つけたのか？」

「あ、ううん…知り合い」

ユキと言う名じゃない
けど、雪崩による行方不明保護者生存、と記されている
…ユキの話に出てくる温かい家族は生きてたんだ…
もしかしてユキは本名も覚えてるのかな…
フォルダには”ヨシユキ”とある
…ヨシユキ、か

「自分のは？」

「…今から探す」

ユキの少し下にAと言う表示があった

「見つけたみたいだね」

…私の名前は本名なの？
私と思われる欄には、交通事故で死亡保護者生存、とある

「…保護者生存…」

「生きてるのか…」

少しホッとした顔のゼロ
何でコイツがホッとしてんの？
その隣でマサトは鋭いままの眼光を帳簿に向けている

「…10年くらい前の交通事故で遺体が出てきてないやつ、だよな？」

「そうなるね」

「調べておく」

「…ありがとう」