嫉妬 ページ26
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最近は、僕もQKの活動で手一杯で、AちゃんはWQSSとは別に入っているサークルに入り浸りしていたので会うことはなくなっていた。それに気づいたのは最後に会ってからちょうど2週間後の日曜日で、30分の休憩が入ったQKのオフィス内でこうちゃんと須貝さんと河村さんに絡まれた時だった。
Aちゃんもサークルだけじゃないし、他の友達との付き合いもあるからこういう時期が来るのは仕方ないのだが、流石に2週間経って3週目に突入しようとしていると思うと寂しくも感じるのだ。今日もカレンダーにペケを書きながらため息をついたところ、唐突にインターホンの音がなった。何か郵便で頼んでいたものはあっただろうか。いや、この前受け取ったばかりだよな……と思考を巡らせながら応答すると、聞き慣れた声がした。それはAちゃんだった。
「あったかあー！」
「ずっと外いたの？」
「うん、手めっちゃ冷たい〜」
「冷たっ」
不覚にもドキってした。いや、これぐらい慣れてって思うんだろうけど、僕が気にしすぎなのかな。久々の感覚にドギマギしているだけなのかもしれない。だって、Aちゃんは2週間前と変わらない笑みを浮かべているから。
「山本くん、今日おやすみだったかなって思って来たけどよかったあ」
「教えてたっけ？」
「川上さんに聞いた」
「川上さんねえ、なんで知ってたんだろ」
「この前のQKの会議私出れなかったでしょ？ 内容を川上さんが流してくれてさ」
「グループで流さなかったっけ？」
「ああ、それとって感じで……山本くんの出席日聞いた」
「……僕に言ってくれればいいのに」
「え？」
僕の言葉に拍子抜けした顔をするAちゃんを見知らぬフリして腰に手を回してそのまま引き寄せ抱きしめた。耳元でくすぐるような声がもれるのを気にせずに力を強くすると、「苦しいよお」とか弱い声が聞こえたのでハッとして、力を緩めた。あれ、僕…………嫉妬した？
「顔真っ赤だ」
「え、……いや、Aちゃんも頬っぺた赤いよ」
「寒いところからあったかいところに移ったから！！」
「言い訳だよ！ ごめんね。痛かった？」
「痛くないよ。へへ、山本くんが珍しく積極的なのでびっくりしました」
「……僕だって……一応、Aちゃんの彼氏ですよ？」
「なにそれぇ……キュンときちゃう」
「わざわざ言わないでよ！ 恥ずかしい！」
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