第37話 ページ38
紬side
Aの手を引き、俺は病室を出た
丞も今回ばかりは第三者による犯行だと思ってるみたい、本当に単純過ぎて心配になるくらいだよ
当然第三者なんていない、だって至君を突き落とした張本人は俺だからね
でもちょっと残念だな、まさか生きてるなんて……生命力強いんだか運が良いんだか
まあAに関する記憶を失ってくれたのは感謝するよ
「ああ、幸せ…なんて幸せなんだろうね、A
最初に言っておくけど、俺だって被害者だからね？突き飛ばされてるんだから」
「……本当に、突き飛ばされたの……？」
ずっと黙り続けていたAが口を開いた
「至君はAに関する全ての記憶を失ってるんだよ？
第一俺が至君を突き飛ばしたとしたら、その記憶すら失ってるのは可笑しいと思わない？
それ以外の事は全て覚えてるんだから」
「…ッ至さん…どうして、誰が…」
「それが分かったら苦労してないよ、A
…でも、俺はその誰かのおかげでこうしてAと一緒にいられると思うと、感謝しかないけど」
俺の言葉に、Aは泣き出しその場にしゃがみ込んだ
泣いてる姿も愛おしいけど、その涙が至君の為のものだと思うと憎くて堪らなかった
「泣かないでよA、言ったでしょ？俺が一緒だって
これからは俺がずーっと一緒にいるから安心して、俺は至君よりも幸せにしてあげれる自身があるから」
「そんな言葉…今更信用できない
放っておいて…ッこれ以上、私の居場所を奪わないでぇ…ッ」
「…A…」
俺は泣いてるAを優しく抱き締めた
ビクッとして俺を振り払おうとしたけど、力強くではなくただただ優しく抱き締め続けた
「ごめん、ごめんねA…俺が悪かった
本当はそれを至君に伝えたくて、仕事終わりに近くの公園に呼んだんだ
まさかあんな事になるなんて思わなかった…」
「…つ、むぎ…？」
「もうあんな事しない、約束するから
すぐに許してくれだなんて言わない、絶対に大事にしてみせるから」
……そんな訳ないでしょ
至君との交際だなんて絶対に許さない、俺だけがAを大切にできるんだから
丞でもない、ご両親でもない、この俺だけがそれを許されるんだ
神様に感謝しないと、邪魔な存在の第一を取り除いてくれたんだからね
Aはまるで俺に洗脳させたみたいに目を虚ろにさせ、カクンッと俺に寄りかかり気絶した
ほら、やっと俺の手に落ちて来た
言ったでしょ？どんな手を使ってでも取り返すって
お帰り、俺の愛しいA
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牡丹(プロフ) - あきさん» コメントありがとう御座います！好きだなんて…嬉しいです＾＾ (2018年7月13日 23時) (
レス) id: d76ce13e27 (このIDを非表示/違反報告)
あき - 好きです！ (2018年7月5日 12時) (レス) id: 61b25e2c24 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹(プロフ) - まるさん» コメントありがとう御座います＾＾更新楽しみにして下さってとても嬉しいです！頑張りますね！ (2018年6月27日 18時) (レス) id: d76ce13e27 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 更新ありがとうございます！楽しみにしてました！これからも頑張ってください！ (2018年6月17日 18時) (レス) id: 26740ad293 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹(プロフ) - あきさん» コメントありがとう御座います！更新お待たせしてしまって申し訳ないです… (2018年6月17日 14時) (レス) id: d76ce13e27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：牡丹 | 作成日時：2017年6月14日 3時
