第35話 ページ36
Aside
気が気じゃなかった
いづみさんからの電話で、私は店を早く閉めて走った
“Aさんッ！！至さんが…ッ！！”
至さんに何かあった
紬が動いたのかもしれない、とうとう紬が至さんに手を掛けたのかもしれない
走って、走って、途中で転んで怪我をしたけれど…痛いなんて言ってられなかった
言われた病院に駆け込み、至さんの病室をノックする
「あ、Aさん来てくれたんですね！」
「っ、はぁ、い、至、至さんは…ッ！！？
あの、至さんは、無事なんですか…ッ！？怪我とか、具合は、！」
「お、落ち着いて下さいAさん
至さんなら無事ですよ、今起きて皆と話してますから！
紬さんも一緒の場所に倒れてたみたいで、背後から誰かに押されたって…大きな怪我がなくて安心ですよホント」
「えっ…つ、紬も一緒に…？」
紬が何かした訳じゃないって事…？
ああ…でも、至さんに大きな怪我とかがなくて良かったと安心できた
いづみさんに連れられて中に入ると、春組の皆と楽しそうに会話する至さんと冬組の方達がいた
「至さん、Aさんが来てくれましたよ！」
「ほら至さん、Aさんが来てくれたんですからゲームやめて下さいよ」
「……？A？」
どうしたんだろう、至さん
どうして私を見てキョトンとしているんだろう…びっくりしてる、だけよね？
「…あの、至さ、」
「えーっと…すみませんが、どちら様ですか？」
いま、至さんは何を言ったの？
信じたくない思いで固まる私を、至さんは初めて見るかのような目で私を見ている
「茅ヶ崎、お前自分が何を言ってるか分かってるのかッ？」
「A君は君の彼女だろう？一体何を言ってるんだね？」
「彼女？この人が？ハハ、冗談よしてよ
知っての通り俺はゲーム一筋だから、恋人がいたらゲーム時間減るじゃん」
「ッ」
「あ、！Aさん待ってッ！！」
堪らず病室を飛び出した
その場にいられなかった、否…いたくなかった
看護師さんに走らないでと注意されても、私は足を止められなかった
病院の屋上に辿り着いた私は、さっきまで走らせていた足の動きをゆっくりにしフェンスに手を掛けた
元々曇り空だったからなのか、私の涙を隠すように雨が降り注いだ…
「…ふっ…うぅ……あああ…ッ！！」
私の泣き声も雨音にかき消される
そんな時だった、私は幸せになれないんだと悟った
「これからは、俺がAの傍にいるよ」
後ろから、紬が私を抱き締めた
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牡丹(プロフ) - あきさん» コメントありがとう御座います！好きだなんて…嬉しいです＾＾ (2018年7月13日 23時) (
レス) id: d76ce13e27 (このIDを非表示/違反報告)
あき - 好きです！ (2018年7月5日 12時) (レス) id: 61b25e2c24 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹(プロフ) - まるさん» コメントありがとう御座います＾＾更新楽しみにして下さってとても嬉しいです！頑張りますね！ (2018年6月27日 18時) (レス) id: d76ce13e27 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 更新ありがとうございます！楽しみにしてました！これからも頑張ってください！ (2018年6月17日 18時) (レス) id: 26740ad293 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹(プロフ) - あきさん» コメントありがとう御座います！更新お待たせしてしまって申し訳ないです… (2018年6月17日 14時) (レス) id: d76ce13e27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：牡丹 | 作成日時：2017年6月14日 3時
