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「……ウチのスタッフが何か失礼でも?」
「いえそんな。とても教育が行き届いてると思いますよ。でも、僕の方が一枚上手だったみたいで」
「そう。……もう一度聞くわね。ここにはどう言ったご要件で?」
「すみません、怒らせるつもりじゃ無かったんです。それと、僕は視察に来たなんて言ってませんよ」
どう言う事? とAが首を傾げると、楓はなんて事無い風に言う。自分はあくまで遊びに来た客だと。
「……聞いてますよ、ここの噂。突如現れた凄腕の女性が買い取り、一世代でドレサリアンが誇る最高峰のカジノに育てたって」
「私も有名になったわねぇ」
満更でも無いAに対して楓は無表情のまま溜め息を吐く。先程から表情筋が硬い子だとAは感心する。確かに素でポーカーフェイスならばディーラーの素質があるかもしれない。
「……最高峰のカジノって言うから期待してたんですけど……これならまだ僕の方が稼げますよ」
「随分な自信ね」
「……どうですオーナー。僕を雇ってみませんか?」
挑戦的な笑みを浮かべた楓をフン、と鼻で笑うA。
「随分魅力的なお誘いね? ……でも、戦いもしないで腕を信用する事はしないのが私のポリシーよ」
私に勝ってから言う事ね、とAは銀色の髪を片方耳に掛けた。赤色の瞳が鋭さを増す。
「楓君は金庫破り、って事で良いのかしら?」
「僕、楓君って歳じゃないですけど……」
「私からしたら皆お子様よ」
笑うAに貴方幾つですか……と楓は嘆息する。女性に年齢を聞くのは失礼じゃなくて? とまた笑う。彼女に歳の話はNGのらしい。

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camellia(プロフ) - 葵さん» うぐふっ(謎の声)…………有難いお誘い誠に心苦しいけど今回は見送らせていただきます……バチクソに私事なんだけど50作目にこっち名義で新作出せるように諸々準備中なので、現時点で出来かねるのよ……一連が落ち着いたら参加も考えます(震) (11月12日 22時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - camelliaさん» やった〜〜。頑張った甲斐がある(まだ始まったばかり)。一人完成したら公開って形で順番に書かせて頂く予定なので、遅くなるかもしれませんが……! 何に渋ってるかわかんないけど決心付いたらお気軽にお声がけ下さいね笑 (11月12日 22時) (レス) id: f205b8954e (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - 好きです(唐突な告白) いや企画の時点でも相当好きでしたけど!!一気読みして心撃ち抜かれました本当に……。募集企画に興味湧いてきたかもしれない。ほんの手伝いの分際でなんですが彼女の子のお話も心待ちにしております(小声) (11月11日 21時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作者ホームページ:https://twpf.jp/uranai_aoi
作成日時:2020年11月11日 17時