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「私、ギャンブルが好きなんです」
「奇遇ね。ここはどうだった?」
「えぇ、楽しかったですよ。危うく本来の目的も忘れちゃいそうでした」
だから来たんです。接続詞の使い方可笑しいじゃない。とは言わずに、Aは静かに話の続きを促す。
「VIPルームはもっと楽しい勝負ができるって聞いて、大好きなお酒も飲まずにここまで来たんですよ」
「別に飲んでもいいのよ。ここはそう言う場所だもの」
「やだなぁ。飲んだらいい勝負、ってのが出来ないじゃないですか〜。支配人さんだってそれくらい分かってるでしょ?」
それについてはAも同意だ。全てを投げ打ってでも勝負に打ち込む、勝負師としてのポリシー。
「暗殺も同じです。返り討ちにあう覚悟をもってしても殺す覚悟がある。だから私はアサシンなんです」
「そう。私達意外と似てるのかもね。それで? 手の内が読まれたアサシンさんはどうするの?」
「読まれた訳じゃないです。さっきも言ったけど、ここのやり方に合わせただけ」
「……ただの殺し合いなら私は乗らないわよ」
呆れるでも無く、Aは真面目にそう告げる。流石に発砲でもされたら警備の誰かを呼ぶつもりはあるらしい。今回、未だにインカムを外さないのはその為だ。否、磯貝に念を押されただけだが。
「何度も言うけど、殺す気ならこんな悠長な事しません。気付かれる前に殺します。正攻法で乗り込んだのはあくまで私の私情に過ぎない」
話が見えない。しかしAも戦闘は避けたいが故、相手を煽るような饒舌な口は息なりを潜めてる。
「だから、ゲームをしましょう」
それでも、その単語はAが静かにインカムを外すには、充分な単語だった。

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camellia(プロフ) - 葵さん» うぐふっ(謎の声)…………有難いお誘い誠に心苦しいけど今回は見送らせていただきます……バチクソに私事なんだけど50作目にこっち名義で新作出せるように諸々準備中なので、現時点で出来かねるのよ……一連が落ち着いたら参加も考えます(震) (11月12日 22時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - camelliaさん» やった〜〜。頑張った甲斐がある(まだ始まったばかり)。一人完成したら公開って形で順番に書かせて頂く予定なので、遅くなるかもしれませんが……! 何に渋ってるかわかんないけど決心付いたらお気軽にお声がけ下さいね笑 (11月12日 22時) (レス) id: f205b8954e (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - 好きです(唐突な告白) いや企画の時点でも相当好きでしたけど!!一気読みして心撃ち抜かれました本当に……。募集企画に興味湧いてきたかもしれない。ほんの手伝いの分際でなんですが彼女の子のお話も心待ちにしております(小声) (11月11日 21時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作者ホームページ:https://twpf.jp/uranai_aoi
作成日時:2020年11月11日 17時