オー！マイ・ボス！−恋は別冊で−

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__翌朝


8時15分を回る頃、Aは身支度を済ませ家を出る
そんな時バタバタと慌てながら奈未がマンションを飛び出してきた


奈未「うわぁぁ…やばいやばい！」

「ん…？奈未ちゃん？」

奈未「あ、Aちゃんおはよう！ごめん、時間ギリギリ…また後で…！」

「えっ、あ…気をつけてね！」


それだけ言うと全速力で走り去っていく奈未
奈未の勢いに押されて普通に返事を返したAだったが、ふと奈未の服装とマンションから出てきた事を思い返す


「潤ちゃんの家に泊まったの…？」


そんな小さな呟きは誰にも聞こえず、Aの顔は暗く沈んでいた




__編集部


麗子が会社に着いた少し後奈未もコーヒーを片手に到着する


奈未「ﾊｧｯ…ﾊｧｯ…おはようございます。編集長。」

麗子「…雑用係が朝帰り？」


奈未の服装を見て麗子はそう言った


奈未「あ、これは、違くて…昨日の、着回しコーデ…？」


変な言い訳をする奈未と麗子の元へ半田が来る


半田「よろしいですか。荒染先生とのアポを取れまして、今日の13時から先生のお宅に伺うことに。」

奈未「えっ、もうですか！？」

麗子「期待してるわよ。チャンピオン。」


驚く奈未をよそに、麗子は笑ってそう言うと編集長室を出ていった


「お疲れ様です。あ、奈未ちゃん…朝、間に合った？」

奈未「あ、Aちゃん！まぁ…間に合った、かな？」

「そっか、良かったね。」

奈未「でも、これから荒染先生のお宅に行かなくちゃいけなくて…」

「あー…例のケンチャン…。」

奈未「そうそう…あれ、私言ったっけ…？」

「あ、中沢くんから聞いて。」

奈未「あぁ、中沢さんに…てっきり潤之介さんかと思った。」

「ううん…潤ちゃんは何も。ねぇ、奈未ちゃんさ、昨日潤ちゃん家に…」

半田「おーい、鈴木！そろそろ出るぞ。」

奈未「あ、はーい！ごめん、Aちゃんまた後でね！」


半田に呼ばれた奈未は慌てて鞄とコートを持ち半田を追いかける
聞きたいことが聞けなかったAはまたモヤモヤとしていた
そこへ中沢がやってくる


中沢「お疲れ。」

「中沢くん…お疲れ様。」

中沢「大丈夫か？…シワよってんぞ。」


中沢はそう言うとAの眉間に軽く触れる


「嘘っ、そんな顔してた…？」


中沢に指摘され慌てて眉間を隠すA


中沢「ﾌｯ、冗談。」

「もう…！」


からかわれたと知りAは中沢の肩を軽く叩いた
可笑しそうに笑う中沢につられてAも笑った

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