G ページ19
殺された。
皆、落ちてきた人間に。
その人間の子供は、人間とは思えない程残虐の限りを尽くしていた。
平気な顔でナイフを振り回し、ジョーク仲間の女性も、正義のヒーローも、MTTのスターも、
__そして、兄弟さえも塵に帰された。
警告を無視し、誰にも、一度だって見逃すチャンスも与えなかったあいつに、どうしてもっと早くに止めなかったんだと後悔した。
……例え彼女との約束を破ることになっても、その前に止めるべきだったんだ。
人間はSAVE能力を持っていて、他の時間軸の俺に殺されても尚、何度でもやってきていたらしい。見れば分かる。
うんざりするほどのそれは、恐怖を与えるぐらいの執着だった。
まるでただ作業に没頭するかのように。
そのあとは………あぁ、殺されたんだ。
「SANS!」
『……サンズさんっ』
幻覚だろうが何だろうが、死んだ兄弟と…そして、Aの姿を最期に見れて、嬉しかったぜ。
そこで意識は途絶えた。
……次に目が覚めたら、兄弟の……papyrusの姿があった。
「ニェ!?SANS、起きたのか!」
そのとき、僕は衝動的に兄弟を抱き締めていた。あぁ、よかった。ここにいる。
酷い夢だと思いたいが、あの傷つけられた強烈な痛みは現実のものだ。じゃあ何故生きているのか、と聞かれれば答えられない。……RESET、されたのか?
だが、どうして記憶がこんなに明確に残っているんだ?疑問は尽きない。
「…お前、それ……」
「ニェッヘッヘ、似合うか?」
「……ああ、最高にcoolだぜ」
兄弟の服は、よく見ればいつものバトルボディの上に小花の散った水色のエプロンを着けていた。…こりゃcoolよりcuteだな。
そのエプロンから、嗅ぎ覚えのある優しい花の香り。これは………この香りは。
『あれっ、パピルスさん?彼、起きたんですか?』
「ああそうだぞ!A!」
「…A………?」
忘れるはずもない。
自分自身が殺して、愛した人間の名前だった。
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おたんこなす(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。よければまたsansの新しい小説を書いていただけないでしょうか...?よろしくお願いします!!! (2021年6月12日 1時) (レス) id: cbfe92c328 (このIDを非表示/違反報告)
にぃ© - いい作品ですね!泣いちゃいました(笑) (2018年7月1日 22時) (レス) id: 59b2d19e52 (このIDを非表示/違反報告)
サトー(プロフ) - ヨタ。さん» ありがとうございます! (2018年1月3日 22時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)
ヨタ。(プロフ) - あ"しゅきです… (2018年1月3日 5時) (レス) id: 8dd5c04a8d (このIDを非表示/違反報告)
サトー(プロフ) - rutiさん» 私も感動出来る小説が作れて満足です。ありがとうございました! (2017年11月10日 17時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サトー | 作成日時:2017年5月22日 22時