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「お前さん、何を言って」

『サンズさん』


私は彼の言葉を遮って、いつも通りに微笑んだ。

Sansさんはそんな私にとても動揺していた。やめてください、そんな表情。私だって本当は死にたくないし、出来ることなら二人とずっと一緒にいたかったんだから。


それを見て、あぁこれは恋じゃなくて、“愛”だったんだと悟る。


死ぬ前に気付けて良かった。

未練はあるけど、後悔はない。

だから、ほら。



『お願い。他の誰かに殺されるぐらいなら、貴方に殺された方がいい。私を匿うことで貴方が責められるぐらいなら、いっそ』

「もういい、もう、いいから………」

『………ずっと、愛しています』



その時、Sansさんはきつく私を抱き締めて、何度も何度も私の名前を呼んでいた。いつもどこか怠惰的で、飄々とした態度の彼はいない。

初めて見る彼に、私はこんな状況にも関わらず、少し優越感を覚えていた。だからこそ、涙を流すことなく笑ったのだ。


『ふふ、痛いですよ、もう』

「あぁ、ちくしょう……俺が、俺が人間だったら…」

『私は、私がモンスターだったらいいと思っていましたよ』


これじゃイタチごっこですね、と笑いながら彼の背中に手を回した。外で聞こえる剣幕と制止の声を耳にしながら私は、


………もう既に、死ぬ決意で満たされていたのだ。

弟→←願



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おたんこなす(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。よければまたsansの新しい小説を書いていただけないでしょうか...?よろしくお願いします!!! (2021年6月12日 1時) (レス) id: cbfe92c328 (このIDを非表示/違反報告)
にぃ© - いい作品ですね!泣いちゃいました(笑) (2018年7月1日 22時) (レス) id: 59b2d19e52 (このIDを非表示/違反報告)
サトー(プロフ) - ヨタ。さん» ありがとうございます! (2018年1月3日 22時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)
ヨタ。(プロフ) - あ"しゅきです… (2018年1月3日 5時) (レス) id: 8dd5c04a8d (このIDを非表示/違反報告)
サトー(プロフ) - rutiさん» 私も感動出来る小説が作れて満足です。ありがとうございました! (2017年11月10日 17時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サトー | 作成日時:2017年5月22日 22時

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