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まさか羽生さんだけじゃなく、みんなが協力してくれたなんて思わなかった。このチームはそのための組織なんかじゃないのに、私のことで巻き込んでしまったなんて申し訳がない。
「よっし、到着。本当に病院は行かなくていいんだな？」
「怪我してないから大丈夫」
事務所前に止められた車から降りて、見慣れた光景が広がるその場所へと帰ってきて、ようやくちゃんと呼吸が出来たような気がした。
羽生さんが先導して、リナに付き添われたまま、私は部屋の中に入る。
「おー、帰ってきたか」
「A、おかえり」
まるでちょっと出掛けて帰ってきたぐらいの雰囲気で声をかけられて、私は思わず拍子抜けする。近寄ってきた山守さんには、そっと肩を撫でられて、その後ろにいる西城くんもほっとしたような笑みを浮かべていた。
「あの…この度はご迷惑を……」
「A、いいからこっち来い」
みんなは普段通りに接してくれているけれど、私は迷惑をかけたことを謝ろうと口にしかけて、それは羽生さんに遮られた。
羽生さんの定位置に座らされると、私の頬にタオルを当ててくる。その温度にびっくりして思わず顔を背けようとすると、羽生さんの大きな手がそれを阻止するように私の頭を掴んだ。
「おいこら。腫れが引くまで我慢。リナ、縛られてたところ見てやって」
「オッケー」
救急箱を取ってきたリナが、私の袖を捲って手首を見る。自分で外せないか躍起になっていた形跡が残るそこは傷のようにもなっていて、その場所を丁寧に消毒される。
大した怪我じゃない。放っておいても治るレベルのそれに対して、有り余るぐらいの対応に私は眉を下げた。
「…そこまでしなくても、とか言わせないからね」
「なんでわかったの」
「わかりやすいんだよAは」
羽生さんがそう言ってくるのはわかる。でもリナにまで私の気持ちが読まれていたのは驚いた。ソファに座る私と目線を合わせるように、リナは私の顔を覗き込む。
「みんなわかるよ。だって仲間でしょ、私たち」
私の目の前にいるリナも、遠巻きに見ているマッキーやウチさんも、山守さんや西城くんも、私と目を合わせては頷いてくれる。氷を当てていない方の手で、羽生さんは私の背中に触れてくれた。
「迷惑かけて、って言われるよりは別の言葉の方がいいな」
マッキーの優しい言葉に、私の口からはようやくひとつの言葉が出る。
それはごめんねなんて謝罪の言葉ではなく。
「みんな、ありがとう」
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ハニ(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年8月30日 17時) (
レス) id: e49c92eedc (このIDを非表示/違反報告)
kotono3026(プロフ) - 面白くて続きがすごく読みたいです！ (2022年7月11日 7時) (レス) @page18 id: 7aa8e8b85c (このIDを非表示/違反報告)
なずな - 続きを楽しみにしています！！ (2022年5月3日 6時) (レス) @page18 id: 3993a699bc (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！ (2022年4月30日 19時) (レス) @page18 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
まい - こんばんは。ちょくちょくこの小説を読みに来ているのですが更新がされていないようで寂しいです…。続きはあると思ってもよろしいでしょうか？ (2022年2月15日 5時) (レス) @page18 id: 8f49d2e699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずたま | 作成日時：2021年11月25日 19時
