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「…あー、くっそ」
マッキーに言われたことはぐさりと突き刺さっていた。けれど自分が不甲斐ないがゆえの今回の事件に言い返すことは出来ずに、ハンドルを必要以上に握りしめることしか出来ない。
「…何が目的なんだろ」
「さあな。金か、家か、もしくは女なら誰でもよかったのか。早く助けてやんねーとな」
「うん……前にAから昔の話を色々聞いたことあるんだけど」
「…おう」
グローブを手につけていたリナが突然そんなことをぶっ込んできた。
Aは自分のことを話さないようにしていたはずだが、リナには話していたらしい。
「そんな様子なのにAと付き合ってないって本気で言ってる？」
「うわ、それも聞いてんのか…マジだよマジ」
「…全然そんな風には見えなかった。側から見てて、お互い大事にし合ってるように見えたから」
「……どこまで聞いたのか知らねえけど、Aには色々あるんだよ」
「許嫁がいるんでしょ？それも知ってる」
少なくとも、俺はAのことを大事にしている。だからこそこんなことになってしまって腹が立っているし、いち早くAを見つけてやりたいと思っているわけだ。
「Aのことを大事に思ってるのはあんただけじゃない。私もそうだし、マッキーだって絶対にそう」
「…そうだな」
「でも、Aが1番大事に思ってるのは私らじゃないよ。付き合ってなかったとしても、誰が1番かなんて見てたらわかる」
信号に引っかかって、車を止める。隣から強い視線を感じて顔を向けると、リナがじっとこちらを見ていた。
「…助けてあげなよ、Aのこと。何もかもから」
それは今回の事件のことだけを指している言葉じゃないと、すぐにわかった。
そんなの、助けてやりたいに決まってる。
言葉にするには簡単だけど、それ相応の覚悟がいった。ただでさえ大山も動き出していて、少し先の自分の未来さえ見えないのに。
すぐに返事が出来ない俺のことを、リナは溜息をついて前へと向いた。その視線の先に黒のワンボックスが捕らえられたのは、次の瞬間だった。
「…いた、黒のワンボックス。次の信号左折」
「はいよ」
『どこかの工場の中に入る前にやった方がいいだろうな。間に合うか？』
「多分間に合うと思う」
『羽生くんもリナも、やり過ぎないでよ』
「わかってますよ、山守さん。A第一で動きます」
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ハニ(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年8月30日 17時) (
レス) id: e49c92eedc (このIDを非表示/違反報告)
kotono3026(プロフ) - 面白くて続きがすごく読みたいです！ (2022年7月11日 7時) (レス) @page18 id: 7aa8e8b85c (このIDを非表示/違反報告)
なずな - 続きを楽しみにしています！！ (2022年5月3日 6時) (レス) @page18 id: 3993a699bc (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！ (2022年4月30日 19時) (レス) @page18 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
まい - こんばんは。ちょくちょくこの小説を読みに来ているのですが更新がされていないようで寂しいです…。続きはあると思ってもよろしいでしょうか？ (2022年2月15日 5時) (レス) @page18 id: 8f49d2e699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずたま | 作成日時：2021年11月25日 19時
