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「…しばらく会えなくなるかも」
「そうなの？」
「ん」
気怠さすら心地いい。そんな風になるのは羽生さんとだけだ。ベッドで座ったまま煙草を吸っている羽生さんが、空いた片手で寝転がっている私の頬に触れる。
「正義の味方してくる？」
「ははっ、そうだな。……その間に、また勝手に自棄になんじゃねーぞ」
触れていた手が頭に移動して、わしゃわしゃと髪を撫でられた。
羽生さんが決して綺麗な身体ではない私のことを大事に抱いてくれるたび、少しは自分のことを大事にした方がいいかななんて気持ちが生まれてくる。どうせ増える一方だからと放置していた痣だって、早く治るように外用薬を塗るようにしたら、それを見た羽生さんが嬉しそうにしたからだ。
「羽生さん、気をつけてね」
「ああ。Aもな」
そんな会話をしたのがもう2週間前になる。
羽生さんが言っていた通り、全く連絡が取れなくなった。私と羽生さんを繋ぐものは携帯だけ。ここが切れてしまうと途端に繋がりがなくなってしまう。
羽生さんや藤田さんが所属する外事という部署は国際テロなどを扱うところなのだと、調べて知った。そうなると一般人の私に、仕事内容が言えないことなんて当たり前だ。
少し前のニュースでは川崎市でガス爆発の事故があったことが取り上げられていたけれど、そういう危険な現場にいなければいいと思う反面、それを私が望むのは変だという気持ちも出てくる。
私と羽生さんは付き合っているわけじゃないのに。
私にとっては面白味のかけらもない平凡とした日常を繰り返すだけの日が続いた。一樹さんと会って無感情にそういうことをした時には、羽生さんのことがひどく恋しくなったけれど、連絡はまだ来ない。
その電話がかかってきたのは突然だった。
知らない電話番号が表示されていて、普段なら絶対に出ないのに、その時だけは悩む間もなく耳に当てていた。本能的に、それは取らないといけないものだとわかっていた。
『…もしもし、Aさん？山守です。覚えてるかな』
「山守、さん…？もちろん、覚えてます。でも、どうして」
『あのね、あなたに来てほしいところがあるの』
嫌な汗が背中を伝った。
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ハニ(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年8月30日 17時) (
レス) id: e49c92eedc (このIDを非表示/違反報告)
kotono3026(プロフ) - 面白くて続きがすごく読みたいです！ (2022年7月11日 7時) (レス) @page18 id: 7aa8e8b85c (このIDを非表示/違反報告)
なずな - 続きを楽しみにしています！！ (2022年5月3日 6時) (レス) @page18 id: 3993a699bc (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！ (2022年4月30日 19時) (レス) @page18 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
まい - こんばんは。ちょくちょくこの小説を読みに来ているのですが更新がされていないようで寂しいです…。続きはあると思ってもよろしいでしょうか？ (2022年2月15日 5時) (レス) @page18 id: 8f49d2e699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずたま | 作成日時：2021年11月25日 19時
