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「あれ?西城くん出してもらえたのね。逃げてもいいのに」
「山守さん!おかえりなさい」
「ただいまA」
戻ってきた山守さんが西城くんに向かって声をかける。西城くんはリナに首の骨をへし折られるから、と言ってもないようなことを心配していたようだった。
「山守さん、これ」
「車を登録していたのはシックス・ウィル。六車泰次郎の息子の和也の会社だった」
「ビンゴってわけね」
「よーし生き返った。羽生くん、A、生き返ったよ!」
「はーい!羽生さん起きて」
ウチさんの元にあったおもちゃのパトカーは元気にタイヤを回して音も鳴っている。私は羽生さんの元に駆け寄って、肩を揺すった。私が起こさなくても、すでに意識は浮上していたのか、目の上に置かれたバンダナを取って身体を起こす。私がかけていたブランケットの存在に気づいたのか、私の頭の上にぽんと手が乗る。
「Aサンキュー」
「いいよ。おもちゃ直ったの、ウチさんがあっちに置いてくれたよ」
「あっマジっすか。さすがウチさん。健太くん喜ぶよ、さすが」
まだ少し寝起きの顔をしている羽生さんは立ち上がると、そのおもちゃが乗せられているテーブルの方へと進んだ。私は人がいなくなったソファへ腰を下ろす。
「シックス・ウィルのことな、俺も調べてみたよ。創業6年目で社員は30人ほどだが、登録者数は200人を超えてる。そこで俺も2時間ほど張り込んでみたんだが、見た顔があったよ。指定暴力団、宝彰会の若い衆だ」
「うわうわうわ、最近の人材派遣会社はやくざも世話してんだな」
「全貌が見えてきたわね」
つまり、風間の誘拐は六車和也が宝彰会を使ってやらせたということ。そうなると風間さんは無事なんだろうか。
マッキーが調べた風間のパソコンにも関係する情報はなかった。現状は証拠になり得るものがない。
「で、これからどうする?」
「どうするって?行くしかないでしょ」
リナがさっき見ていたアカウントをウチさんや羽生さんに見せつけた。きっと新しく更新があったんだろう。
「お、見つけたか」
「自分の店で女の子集めて飲んでるって。直接聞いてくる」
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みずたま(プロフ) - 竜胆さん» コメントありがとうございます!どう転ぶかはわからないですが、私もくっついたらいいなーとは思ってます。引き続きよろしくお願いします! (2021年11月25日 8時) (レス) id: f07c1a6963 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆 - みずたまさん» 初コメ失礼します!とても、良い話で…一気読みしてしまいましたww 立場的に無理なんだろうと思いながらも、ヒロインと羽生さんがふっついて欲しいと願う程のお話で!毎回、楽しませて貰ってます!ww (2021年11月24日 22時) (レス) @page46 id: 0323b34345 (このIDを非表示/違反報告)
みずたま(プロフ) - さっくんさん» ありがとうございます!続き更新しましたー!よろしくお願いします! (2021年11月24日 21時) (レス) id: f07c1a6963 (このIDを非表示/違反報告)
さっくん - やー!♡続き気になるぅー!!!!!!!!!! (2021年11月23日 22時) (レス) id: 7aaa679c24 (このIDを非表示/違反報告)
みずたま(プロフ) - カンさん» はじめまして!ご指摘ありがとうございます。マルヒとマルガイ、完全に逆にして覚えてました…!修正しておきます。ありがとうございます! (2021年11月20日 23時) (レス) id: f07c1a6963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みずたま | 作成日時:2021年10月27日 1時