3-7 ページ28
翌日、リナが悠源館で働けることになった。
そこで設計図と共に具体的な作戦を練り、リナの当日の動きをみんなで確認していく。
ウチさんが用意したカメラ付きネックレスのおかげで、私たちはリナが見ている状況を共有して貰えることになった。
「…リナ、大丈夫?」
「うん」
亡くなったホステスの1人が、リナの親友であることを知った。きっとこの作戦に関しても並々ならぬ気持ちがあるはずだ。
私はそっとリナに近寄って聞いたけれど、彼女は頷くだけだった。
「…山守さん、私も羽生さんたちと一緒に行っちゃだめですか」
「だめ。あそこはあなたのことを知ってる人間も多いはずよ。一緒に行動してるところを見られるとまずい」
「…ですよね」
私が一緒にいて何か出来るわけじゃないけど、私はリナが心配だった。この作戦は、自分が抱える傷口を、自分から開きにいくようなものだ。
私の近くに寄ってきた羽生さんが、私の肩をぽんぽんと叩く。
「Aはマッキーたちと、ここで留守番してな」
「うん……羽生さんも気をつけて」
「おう」
リナのことは羽生さんに任せて、私はここでリナの帰りを待つしかなかった。
カメラ越しに見た、悠源館の裏の顔。
2階の例の部屋にあったパソコンには建物内のあちこちの場所が映し出されていて、賄賂の受け渡しの場面なんかもばっちり抑えられそうだった。それが、Kファイル。
管理しているパソコンはマッキーには太刀打ち出来ないようなセキュリティになっていて、こちらからはどうすることも出来ない。
となると、違う方法で証拠を抑えるしかなかった。
『あれ?見ない顔だね』
映像には田淵のことが映し出されている。自己紹介をしたリナに向かって一歩一歩と近づいてくる。リナは動かない。敢えてそうするように仕向けたからには、近づいてくるのが好都合だからだ。
543人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みずたま(プロフ) - 竜胆さん» コメントありがとうございます!どう転ぶかはわからないですが、私もくっついたらいいなーとは思ってます。引き続きよろしくお願いします! (2021年11月25日 8時) (レス) id: f07c1a6963 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆 - みずたまさん» 初コメ失礼します!とても、良い話で…一気読みしてしまいましたww 立場的に無理なんだろうと思いながらも、ヒロインと羽生さんがふっついて欲しいと願う程のお話で!毎回、楽しませて貰ってます!ww (2021年11月24日 22時) (レス) @page46 id: 0323b34345 (このIDを非表示/違反報告)
みずたま(プロフ) - さっくんさん» ありがとうございます!続き更新しましたー!よろしくお願いします! (2021年11月24日 21時) (レス) id: f07c1a6963 (このIDを非表示/違反報告)
さっくん - やー!♡続き気になるぅー!!!!!!!!!! (2021年11月23日 22時) (レス) id: 7aaa679c24 (このIDを非表示/違反報告)
みずたま(プロフ) - カンさん» はじめまして!ご指摘ありがとうございます。マルヒとマルガイ、完全に逆にして覚えてました…!修正しておきます。ありがとうございます! (2021年11月20日 23時) (レス) id: f07c1a6963 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みずたま | 作成日時:2021年10月27日 1時