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「え〜、やったらしげ今日も食パン切りすぎて」
「いややわ!昨日俺照史くんにめっちゃ怒られてんからな!」
「ええやんオーナー俺やねんから!」
「いや、俺は照史くんについていく」
で、だれるオーナー尻目に真面目にグラス磨いてるんが俺。
さらっとバイトで雇われた工学部機械工学科3年重岡大毅。ちなみに俺は包丁はもてん。男の一人暮らしなんてそんなもんやろ。
「しげ今日賄い何がええ?」
「んー、久々に照史のナポリタン食べたい」
「よっしゃ作ったろ!」
「黒ごまバナナジュースもつけてな」
「っうぉ?バナナか…いや、んー、ええよ作ったる!」
「照史しげばっかやん!」
昼過ぎのカフェタイムから営業してて、14時過ぎたあたりからだいたい16時までが昼間のラッシュ、ちょっと落ち着いたあたりで休憩取りつつ、19時からディナータイム。なんて洒落た名前つけとるけど実際ほとんどが一人もんのサラリーマンで21時前まではそこそこ混雑する。その辺すぎると夜のバータイム。今はカフェとディナーの間にぽこっと空いた時間帯で、お客さんもおらんからだいたいここで賄い食わしてもらうんやけど…
「流星と違ってしげはよく働くからいいんです」
「え〜俺やって頑張ってるやん」
「卵とゆで卵間違えて買ってくるやつが何を言うねん」
「見た目一緒なんやもんしゃあないやん」
「ちわ〜!」
天然のボケと天性のツッコミの親子みたいな(実際は子どもがオーナー)やりとりを聞いてると、ほらほらきたきた。今日も今日とて割り込んできた軽い声。来たな大型犬。ゴールデンレトリバー。
「おっ望いらっしゃーい」
ポヤポヤした声で迎える流星にひょいっと近づく大型犬は、半袖シャツにスラックス姿。昨日までのベストがなくなって白シャツが眩しい。
「ん、頼まれたやつ。卵やろ?白いやつ10個入りでいいんやんな?あと万能ネギ、ヤングコーンの缶詰、照史がいつも使っとるブランドのケチャップ!」
ずいっと長い手を伸ばして差し出されたのは近所のスーパーのレジ袋で、それをありがととフツーに受け取った流星はそのままほい照史くんとキッチンに手を伸ばす。
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作者名:ぐりむ | 作成日時:2017年5月14日 9時