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「バーテン?」

「そ、神ちゃんお酒詳しいやろ?」

「飲めへんけどな」

「照史くんうるさい」

次の日。配達に来た神ちゃんを半ば強引に引き止めて、流星がいきなり説得中。神ちゃんは案の定わけわからんって顔しとる。

「いや、そんなん、酒出さしてもらえるんなら嬉しいけど…」

「神ちゃん無理せんでええねんで、流星の話が急すぎんねんから」

「今日といい俺ん時といいこいつほんまそういうとこあかんわ、全然学習せぇへん」

「ちょ、今俺が神ちゃんと話してんの!邪魔すんならあっちいってて」

「邪魔してへんわ神ちゃんを心配してんねん俺は」

「照史ちゃんと働かんと給料下げるで」

「うわっ、まーた職権乱用や!」

シッシッと追い払う仕草されてしゃーなし二人してすごすごキッチンへ戻る。

「神ちゃんってお酒作れるん?」

「いやぁそら作れるどころやないよ。あの子飲む前からシェイカー振ってんねんもん。今も家、あそこのバーな?で、たまにバーテンしとるらしいで」

それでいて、ちゃんと成人するまで飲まんかったんがえらい!って照史くんがしみじみ頷く。あれとは大違いっちゅうこと?流星はもともと飲んでたクチか。まぁ俺も人のこと言われへんけどな笑

「神ちゃんが作るお酒美味いねんけどな〜、いざ成人してみたらあの子下戸やってん。酒屋の息子やのに」

「あちゃー、そら残念」

「ほんまやわ」

カウンターの向こう側に目をやる。
配達でたまーに顔出すくらいの、小柄で金髪でなんか奇抜なカッコした男の子。バイトが増えんのは、この店忙しいし俺がクビにならんねやったら大歓迎やねんけど俺はさっきから地味にどきどきしとる。
やって…忘れようと思って忘れてきたけど、照史くんと神ちゃんって、その…そういう関係、なんやんな???

「しげ神ちゃんと話したことあるんやっけ?」

「んぇ?あ、い、いや、ほとんどないなぁ」

「あれ、そやったっけ」

いい子やから仲良くしたってや〜って言いながら、照史くんが野菜の下ごしらえし始めた。もしかして俺無意識にのろけられてるとか?いや、ないない。この人は俺にばれてへんと思うてんねんから、ばれてることばれへんようにせんと…

*→←第10話 客員・Assassin



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作者名:ぐりむ | 作成日時:2017年5月14日 9時

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