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インスタ映え、とかそういうんは俺はよーわからんけど。最近よく見る、でかいパンケーキになんちゃらソースだクリームだかがかかっててフルーツが乗ってナイフとフォークでいただきますっていうようなそれとは違って、昔から馴染みのあるまんまるのホットケーキ。1番上に四角いバターが溶けかけてて、小さいカップにはメープルシロップ。まるでオカンの作ったおやつかなみたいな風体で、フォーク1本じゃ食べにくいなと思ったのも最初だけ。さくりとさし込めばふわふわのそれを食べるのにナイフなんか必要もなかった。

「…うまっ」

いや、まじでめっちゃうまい。なんなん。
店の内装引くほど洒落てんのに、食器といい料理といい味といいなんとなく懐かしくてホッとする。なんやねんなこのギャップ。偶然?にしては出来過ぎ?作為的か?作為的なんか???

「はー、うまい」

一心不乱に食べてもうて、食後にすすったコーヒーまでもがこれまためっちゃうまい。思わず声に出して言うてたらくすくす笑う声とともにドアが開いた。

「そやろ、照史くんのコーヒー最高やんなぁ」

入ってきたのはバイトの二枚目。さっきは気づかんかったけどこいつも一応エプロンしとる。青い、店長と違って腰から下のいわゆるカフェエプロン。白シャツにシルバーアクセサリーで、チャラいなこいつ。大学生か…バンドマンかもしらんな。

「やっとカフェのラッシュ終わったわ…待たせてもうてすんません。……あ、これ履歴書?」

「あ、はい」

「じゃあちょっと見せてもらいますね〜…あ、適当にコーヒー飲んどってええっすよ。俺堅苦しいの苦手なんで」

そう言って、バイトのそいつはへらっと笑って、置きっぱなしにしとった俺の履歴書を取り上げた。
そして話は冒頭に戻る。


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作者名:ぐりむ | 作成日時:2017年5月14日 9時

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