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「…なぁ、しげ彼女でもできたん?」
「なんなんお前藪から棒に。そんなんできてへんわ。できてへんしできひんわ」
「できひんてなんやねん」
「ちゅうかお前そろそろ帰れや、塾あんねやろ?」
「んー、でも流星戻ってきてへんしなぁ」
「あいつ帰ってくるのなんまっとったらいつになるかわからへんで」
何百回歩いてるはずのこの街で迷子になるからなあいつは。奇跡や、ほんま存在が奇跡。
「でも任されてんもん」
「あー、もうええから早よ行き!遅刻すんで!」
「やだしげったらごーいん♡」
「ほんまうるさいほんましばくおまえ」
今日は金曜やし、なんもなかったらいくと思うってこないだいうてたから。
これからせっかく淳太くんがくんねん。小瀧なんかに邪魔されてたまるかい。
紺色のスクールバッグを押し付けてエプロン外させて、店から追い出すところでちょうど流星が帰ってきた。
「お、望帰るんか。遅なってごめんなありがとう」
「流星に呼ばれたらいつでも来るで!ダチンコやからな!」
「ふふっ…ほんまに?ありがとな」
頭ぐしゃぐしゃされてうれしそーに尻尾振っとりますけど、小瀧さんそれ順調に調教されてませんか?流星も自覚なさそうなとこが怖いわ…
「ほな塾がんばっておいで〜」
「うん!また明日来るな!」
ゴールデンレトリバーが元気よく走って出て行ってほっと息を吐く。店ん中から見えるギリギリまで笑顔で手ェ振ってやっとる流星に、小瀧が振り返って笑った。
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作者名:ぐりむ | 作成日時:2017年5月14日 9時