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なんでおんねん…なぁ!

「あー、やからしげさっき焦ってたん?」

「うぇぉ?!ちょ、照史くん!」

「お兄さんしげくん言うん?しげお?しげあき?しげー…しげひさ?」

「あぁちゃいますちゃいます、こいつ重岡いうんで、しげ」

「あぁ、苗字かぁ」

「ほんでそっちのお兄さんが照史くんやんな、よう聞くわ」

「どうも」

「みんな仲良い店で羨ましいわ」

きゅんと細まった目元とか、どっか外国のたっかい猫みたいや。え、比喩間違ってる?めっちゃ褒めたいねんけど。

今日も高そうな腕時計の綺麗な手が、まくまくとオムライスをたいらげていく。照史がかいたケチャップの波線は食べる直前に少しずつ伸ばしてくタイプ。照史くんに、連れのお兄さんに、話しかける声が鼓膜を揺らしてるってその事実にさえ体温が上がってる。なんやろ、俺、ちょっと変態チックかも。

「なんやねんしげ黙りこくって笑」

単なる人見知りと思うてるっぽい照史くんがしゃあないなぁって声で俺に話を振ってくれる。

「接客のくせに人見知りなんすよ、普段はうるさいくらいなんすけどねー」

「いやぁ、いつも明るい声で挨拶してくれてたん覚えてますよ」

それは、あなたやったから。
あなたの前やと、嬉しくて、声でかなんねん。俺単純やから。

「前のバイトの人とは大違い、やったんやろ?」

「そうやねん、俺そんなことはまちゃんにも言うてた?」

「めっちゃ言うてたで笑」

「そうやったっけ笑」

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作者名:ぐりむ | 作成日時:2017年5月14日 9時

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