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第4話 偶然の再会・空前の再開(前編) ページ16

「しげって彼女とかいーひんの?」

「なっ…!急に変なこと言うんやめてやぁ照史」

「あ、その狼狽え方はおるな?」

「おらんおらん!俺工業大やで?」

「なんや、工業大って彼女作ったらあかんの」

「そんなアイドルちゃうねんから笑 そうやなくて、九割九分男しかおらんねん」

「うわ、むっさいなぁ」

「この店10割男やけどなぁ」

「ほんまやそりゃむさくもなるわな」

めずらしくゆっくりした午後。洗い物を片付けながら照史と無駄話をする。
流星は月一の登校日で出かけてて、やから今日ばっかりはお客さん少なくてよかったなって。
そう、昨日聞いてんけど、流星って通信の専門学校通ってるらしいねん。調理系やと思うやろ?デザインやってさ。食物科出てメディアアート学科ってなんやねん統一性ゼロか!とかいうてくだんのラテアートはそこで身につけてきたもんやいうからなんも言われへんわ。

「流星はおるんかなぁ」

「あー、あいつは今はおれへんで。ちょっと前までマジもんの貢いでくれる女がおってんけど最近別れてん」

「はぁ、マジで?なんで?」

「…まぁ、それは本人に聞き笑」

「えぇぇなんでや気になる!」

問い詰めようとしたところでちょうどドアが開き、照史に逃げられてもうた。いらっしゃいませ〜とよく通る声がキッチンに響く響く。

「昼間はゆっくりやったけど、こっから忙しくなるかもなぁ」

昼間客足が少なかったんは多分雨やったからで、普段はカフェでお茶やなんやいうてる女の子たちも家から出たくなかったんちゃうかってのが照史くんの読みやった。そやけど夜の客層はサラリーマンや。働く男には雨も雷も関係ない。確かに混むかもわからんな…

「こっからいつも通り人来るん…?流星何時に帰ってくるんよ」

「早くて9時半やな。9時までは授業やから」

「はぁ?俺夜のラッシュ一人で回すん?!」

「そうなるなぁ」

「うそやん〜照史俺が入るまでどうしててん登校日」

「メニューめっちゃ絞ったり、レジんとこで食券制にして取りに来てもらったり…おおよそカフェではなかったな…」

斜め上見上げて回想に耽る俺、に浸る照史。

「なんなんそれもう休みにしようやぁ〜」

「無責任なオーナーが店は開けてくれいうもんやから俺らは無力なんや…すまんしげ」

「いーやーやー!!!」

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作者名:ぐりむ | 作成日時:2017年5月14日 9時

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